駄文2〜グラビonly〜
□限界を越えないで!
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愁一から改めて「サヨナラ」を言われた。
周りのヒロくんや、順、坂野と愁一のマネージャーが息を呑んだのが分かった。
「いやだ」
まるで子供だと、自分でも思う。
「いい加減にしろよ!」
ガタンッ…!!
愁一は机を蹴っ飛ばした。
ズレ動いた机から、楽譜やらヒラヒラと舞い落ちる。
「由貴さ…オレと別れたいんだろ?だから浮気するんだろ?なぁ由貴。オレ、そんな恋人だった、いらないから」
愁一は俺を見なかった。
俺も愁一が見れなかった。
けど、ここで引いてしまえば、もう…終わりなんじゃないか?
「…魔が差しただけだ」
何か言わなければと、焦って放った台詞がそれだった。
パンッ!!
キレのある音。
まるで風船が割れたような…なんて、考えていたら、頬にヒリヒリと激痛が湧き起こった。
「愁一!?お、お、落ち着けって!」
ヒロ君が愁一を抑えた。
「離せ、ヒロ!!」
バタバタと暴れる愁一。
俺はただ、叩かれた頬を撫でるしか出来ない。
「由貴!あんた、最低だな!魔が差しただと!?ふざけんな!」
愁一は顔が真っ赤だった。
頭に来すぎて、血が上ったんだろ。
「ヒロ君。愁一を離せ。俺は大丈夫だから。…愁一殴れよ、気が済むまで」
俺は愁一の言うとおり、最低な男なんだ。
自覚はある。
「……由貴」