駄文2〜グラビonly〜

□作成中
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ピンポーン

受話器を置いた瞬間に呼び鈴。
まったく、今日は何かと騒がしい気がする。
騒がしいテレビのワイドショー。
騒がしい恋人の言い訳。
そして、来客と来たもんだ。

「まさか、マスコミじゃねぇだろうな」

オレは嫌々に玄関を開けた。

ガチャリ…

「………」

「何よ、あからさまに嫌な顔して!」

来客の第一声は、仮にも気分の良いものではなかった。

「久々にお姉様が来てあげたって言うのに」

「はぁ…何だよ、姉貴」

オレは溜め息混じりに、姉貴を見た。
随分とデカい腹。
まもなく、オレの甥っ子だか、姪っ子だかが出て来るらしい。

「……家に入れなさいよ」

「ハイハイ」

この人が来るとき、良いことが起こった試しがない。

「今日はどうしたんだよ?」

「ん…産婦人科に行って、テレビ見たら、面白い話題が出てるじゃない?」

如何にも楽しそうに姉貴は笑いながら言った。

「愁一くんも男だったのねぇ〜」

「ああ?当たり前だろ。アレが女に見えるのか?」

姉貴はソファーにゆったりと腰を下ろす。

「違うわよ。浮気なんて、男の性じゃない」

オレはつい、顔を渋らした。

「アンタだってそうでしょ?浮気しない男ってのは、よっぽど仕事バカか、アッチの人間よ」

「あのバカは、すでにアッチの人間だろ?」

「アンタもね」

ああ、この人に口で勝てる気がしない。

「で?何しに来たんだよ?」

「ふふっ…初めて浮気された気分は?」

ニコニコと笑顔で聞くことか?

「さぁな」

「まさか、浮気じゃないって思ってるわけ?」

「オレの知ったこっちゃねぇよ」



 
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