駄文2〜グラビonly〜
□It Is On My Side 1
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瑛里Side
「ただいま」
この言葉がアイツに掛けれるものなら、どんなに良かっただろうか。
「平気」と笑って言うアイツの表情は、毎回暗い。
我慢はアイツの悪い癖。
「あなた、お帰りなさい」
向かい入れてくれる彼女は、俺の妻…上杉成美。
ああ…もしも、アイツが普通の一般人なら…。
すぐにでも、迎えに行きたいのに。
「ご飯は?」
「食べてきた」
「そう。………最近、泊まりがけの仕事が多いわね。疑うわけじゃないけど…どこに?」
アイツが売れっ子のヴォーカルじゃなかったら、社会の目も気にせずに…。
俺は社会の目なんて、気にならないが、アイツは気にするだろうな。
「…新堂愁一の家に泊まった」
「え?新堂さんって、BADRACKの?一緒に仕事をされるの?」
「まぁな…。疲れたから、寝る」
いつか、アイツを堂々と俺のモノにするのが許される日が来るなら、俺はこの生活、今の地位だって捨てられる。