駄文2〜グラビonly〜

□It Is On My Side 2
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愁一Side

ピンポーン…

「はい」

オレは、駆け足で玄関に走った。
ドアを開ければ、立っていたのは由貴瑛里。

「ぁ、アンタ…なにしてんの?」

「何って?…とりあえず、入れろ」

そう強い口調で由貴は言うと、さっさと靴を脱いで入ってきた。

「来るなら『来る』って、電話なりメールなりしろよ!」

突然の訪問にオレは焦った。

「愁一…。今日、休みだって何で言わなかったんだ?」

「………」

だって…それは…。

「それは…言えば、アンタ来ただろ?」

「言わなくても、こうして来てるがな」

「……」

由貴はタバコを取り出すと、くわえた。
やっぱり由貴はカッコイイ。
由貴専用に買った灰皿を、由貴は自分でキッチンから取り出す。

「来て欲しくなかったって事か」

「違う!…久々の休みなら、たまには奥さんと…「おい!!」」

『過ごした方が良いんじゃないかって思って…』。
そう続けようとして、オレは怒鳴られた。

「お前が、『奥さん』なんて、言うんじゃねぇよ!」

由貴はオレを睨む。

「…ごめんなさい……。オレ、コーヒーいれてくる」

そう言って、由貴と入れ代わってキッチンに入った。
何で…あんなに怒ってるんだろ?
機嫌悪すぎじゃん。

「愁一」

名前を呼ばれ、オレは後ろから抱きしめられた。
いつの間にか、由貴が後ろに立っていたみたい。

「悪い、言い過ぎた」

「うん」

ねぇ…由貴。

「愁一、キスして良いか?」

「うん」

ねぇ…由貴。
アンタは酷い人だね。

「ん…ぁ、ンン」

こんな優しいキス…やめてよ。

「愁一…」

そんな声で名前呼ぶの…やめてよ。

「ぁあ…ンン、ハァ…ンァ」

こんな優しい愛撫…やめてよ。
由貴…アンタは、酷い人だね。

「由貴…もっ、と…」



 
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