駄文〜グラビ・テニプリ〜

□「好き」
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「い…いらない!」

「あ?」

「いらない!作ってくれなくていい!!」

どうしよ?
体が震える。
由貴の態度に頭がグラグラして自分の感情がコントロールできない。
言いたい事が溢れる。
我慢しろ俺!
今までだって我慢出来たんだから。
…そうだ。
今に始まった事じゃないんだ。
俺は文句言わずに我慢してた。

「由貴…由貴はどう思ってんの?俺の事…」

「…恋人…なんじゃねぇの?」

「じゃぁ、由貴には何人の恋人がいるの?」

「は…?」

我慢が限界を超えた。

「俺は由貴にとって、そこら辺の女の子と変わらないんじゃない?」

その言葉に初めて由貴が俺を見た。
俺はしっかりと由貴を見つめる。

「もう…いいよっ!」

俺は駆け足で自室に入った。
旅行バックを引っ張り出し、クローゼットから着替えなどを詰めるだけ詰め込んだ。
詰め終わると再び駆け足で今度は玄関に向かった。

「おいっ愁一!」

靴を荒く履いていると後ろから腕を掴まれた。

「痛っ!離せっ!」

「どこ行くんだよ!」

「出て行く。由貴にとっ俺は沢山の中の1人じゃんかっ!?こんなの……俺、もう耐え切れない」

今度は俺が目を見ることが出来なくなった。
昔はこんな事は思わなかったはず。



 
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