駄文〜グラビ・テニプリ〜

□心配事
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「ただいま」

「お帰りなさい、周助。あらっ?越前君」

僕が玄関を開けると姉さんが明るく出迎えてくれた。

「こんばんわ」

越前は少し無愛想に挨拶した。

「今日、越前が泊まるから」

「そう!越前君、ゆっくりして行ってねっ!」

「あ、はい。ありがとうございます…」

本当に人とコミュニケーション取るのが嫌いなんだね。
僕は越前に聞こえないように笑ってしまった。



パタンっ!
勢いよく閉まるドア。
僕の後ろでは越前が黙ったまま突っ立っていた。

「ゆっくりしていいよ?」

「……」

学ランを脱ぎながら越前に言った。
でも返事がない。

「越前?」

不思議に思って振り返ろうとした時。

「こっち向かないでください」

そう越前が言った。
僕は振り返ろうとしていた体を元の方向へ戻す。

「どうしたの?」

「不安なんスよ」

「不安?」

越前の顔が見えない。
すると急に越前が僕の背中に抱きついた。

「えっ越前!?」

「誰にでも…誰にでも笑顔を向けないで」

僕は驚いた。

「我が儘で子供だって笑っていいっスよ?でも、俺以外に隙を見せないでください」

「越前…。僕も不安だよ?最近の越前は更に色っぽくなったからハラハラものさっ」

「色っぽい…
?俺、男ッスよ?」



 
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