駄文〜グラビ・テニプリ〜

□キスマーク
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『別に夜の愛の親交をするなと言ってるんじゃないんですよっ!?』
冬馬の声が更に大きくなる。
相当のご立腹だ。
「だったら、いいじゃねぇか」
『ダメですっ!僕は、キスマークを付けるのだけは避けてくださいとお願いしていたはずでしょうっ!?』
瑛里は受話器を少し耳元から離して、冬馬の声を聞くようにした。
『もうメイクでは消せません!!』
「……見える所には付けてねぇよ」
『今回のプロモは新堂さんのベッドシーンを出す企画なんですっ!見えない所でもベッドシーンの撮影だと露出しざる得ないでしょっ!?』
ベッドシーン。
瑛里の脳裏に乱れ狂う愁一が浮かんだ。
「………」
『ちゃんと、責任は取ってもらえますよね?』
「……どうすりゃいい」
瑛里は不機嫌そうに言った。
『責任…取ってくださるんですか!?』
「アンタが責任取れっつってんだろ」
『そうですか、そうですか。責任を取ってもらえるんですか!いやぁ、良かったです!ではさっそく、スタジオに来てください!スタッフも皆さんお待ちになられてますから。では後ほど』
反場強引に押し切った冬馬はそのまま電話を切った。
瑛里の気が変わる前に逃げ出したのだ。
「……たかが痕を残しただけで大袈裟だ…クソッ」
ある程度の身なりを直し、瑛里は愛車で愁一がいるスタジオへ向かった。
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