駄文〜グラビ・テニプリ〜
□君を夢見る
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「…き……ゅ…き」
>愁一…?
「由貴!!」
ハッ…
「……愁一?」
重たかった瞼を開けると目の前にはアイツがいた。
「大丈夫か?由貴、うなされてたよ」
夢…だったのか。
俺は愁一に手を伸ばした。
「由貴、嫌な夢でも見たのか?」
大量の汗をかいていたのか、着ていたものが濡れていた。
愁一は優しく俺の額の汗を拭う。
「ああ…嫌な夢だ」
「そっか……きっともう大丈夫じゃない?」
愁一が満面の笑みを見せる。
安心する俺。
俺は愁一を引っ張りベッドに座らせた。
そして、子供のように愁一にすり寄ると、愁一が優しく頭を撫でる。
「愁一…もう少しこのままで」
「いいよ、このまま眠って…オヤスミ、由貴」
俺は心地よく眠りに入ろうとした。
でも、このまま眠ってしまえば、また同じ悪夢を見てしまいそうだ。
そう思うと、なかなか目を閉じる事すら出来ない。
「由貴?眠れないの?」
「………」
「大丈夫だよ!俺、どこにも由貴を置いていなくなったりしないよ。だから安心してよ……って由貴?寝ちゃったの?」
アイツの声が聞こえる。
アイツの『どこにも行ったりしない』と言う言葉に何度救われたか。
きっとアイツがいない時間を俺はもう生きてはいけない。
「由貴、愛してるよ」
end...