小説

□『七夕の日は、だいたい雨@』
1ページ/6ページ

『…そういやぁ…』


深夜1時。
万事屋のソファに
もたれかかりながら
酒を飲んでいた銀時は
ふと思い出したように呟いた。

持っていた
ワンカップを机に置き
ひたひたと歩いて
窓に近づいた。
輝く月と煌めく星々。


『………明日、行ってみっか』


それらを眺めながら
ぽりぽりと頭をかき
どこか期待を込めて言った。
次の日。

銀時は
珍しくテキパキと動いていた。

早くからスーパーに行き
たくさんの食材を買った。
帰りには酒屋に寄り
これまた
たくさんの酒を買った。

万事屋に着く頃には
たくさんの荷物を
両手に持っていた。


『たでーまっ』


そう言って
乱暴に引き戸をあけて
玄関に両手の荷物を置くと
また出て行ってしまう。

かと思うと
お登勢と話す声が聞こえ
すぐさま階段を上る音がして
銀時が戻ってきた。
手には
三段の重箱を持っていた。



***
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ