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□好きすぎて死んでしまうの!
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「洸兄ってさ」
「ん?」
「甘えんぼさんだよね」

春の日差しが暖かく降りこむ部屋で、賢吾は洸の胸に背をもたれてそう言う。
洸はと言うと、紫の瞳を二,三度瞬かせてそうかな?と小さく首をかしげて見せた。
唐突にそんな事を言う子供の扱いは慣れたつもりだったが、いかんせんまだ把握しきれていないところがあったらしい。
どうしてそう思ったの、と問うと。
洸の指に光るアーマーリングや指の爪先に細い指で触れながら、子供はんーと唸って

「なんとなく」

と笑った。
変な子。
そう言って細い体をもっと抱きよせながら洸も一緒に笑うと、子供は嬉しそうにけたけたと鈴を転がしたような声をあげる。
(この陽気でちょっと脳細胞がやられてるのかもしれない)(それすら可愛いと思う洸の脳細胞も、)
あーもーケン可愛い。と洸がうなじから耳に唇を滑らせてそう呟くと。
洸兄も可愛い。と腕の中で振り返った子供が洸の額にキスを落とした。

「・・・なになに、ケンも甘えんぼさん?」
「違うもん。これは洸兄を甘やかしてるの」
「えー」

そしてまた笑って、キスして、抱きしめ合って。
どちらからか分からないくらい、顔じゅうに唇が触れる。
そのうち主導権は洸に移って、なすがままの子供は柔らかくとろけるような笑みでささやく。

「すきすぎて、しにそう」





(ねえ愛しの君)
それは致死量の愛ですか?
(おれもしにそう)




おしまい。

春だから。←

お題拝借先>>確かに恋だった

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