うそつき、だと。
知っていたのに。
(どうして優しくなんてしたの)
忘れてしまえと。
思っているのに。
(いっそのこと立ち直れないくらい突き放してくれたらよかった)
あの優しい白色は、いつまでもまぶたの裏から消えてくれないのだ。
君だけですよと、囁いた言葉は何だった?
君だから、と触れたあの手は。
昶君、と呼んでくれたあの声も。
全部全部、嘘だったのに。
戻らないあの日。
戻れないあの日。
何を言っていたら変わったのだろう。
何をしたら彼はここに居てくれたんだろう。
(ばかやろう)
私がいなくなったらすぐ私のことを忘れてくださいね。
なんて馬鹿げたこと言って、彼は俺を置いて行ったのだ。
何が忘れて、だ。
何を、どうやって。
忘れ方なんか、教えてくれなかったくせに。
あの言葉も
触れた手も
声も
キスも
何一つとして忘れられない。
忘れることなんて、できない。
うそつきの彼が残した
最後の嘘だと知っているから。
(どうせ最後なら突き放してくれたほうが楽だったのに)
あなたを忘れたら、あたしには何も残らない
(だから眠れない午前1時)
(あなたをまた思い出す)
おしまい。
細胞全てがあなたで染まっているの。
Thanks Song>> supercell feat.初音ミク「嘘つきのパレード」
お題拝借先>>確かに恋だった