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□眠る君に、
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2.眠るきみに秘密の愛を
(昶くん、)
月に透けたワタシの髪が彼の寝顔にさらりとかかる。
普段ならこんなに顔を近づけただけで彼の沸点は越してしまうのに。
寝ているときはこんなにも、幼くて無防備だ。
(キミの寝つきの良さに、今は感謝したいくらいです)
ワタシの対の生まれ変わりとして、この世に生を受けた少年。
大事で、愛しい。
(そう言ったら、キミはまた嘘だろうと顔をしかめるんでしょうね)
だけど、今だけは。
キミに触れても、許されますか?
(そのあどけないほどの無防備さに涙が出そうになるこれが)
(恋ではないというのなら何と呼べばいいのでしょうか)
おしまい。
ネーゼの片思い。