短編
□-愛する貴方を奪う大作戦-
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「俺は常々思ってた!!何故ユーリみたいな奴があの素敵で美しいジェイドさんといっつもいっつもラブイチャ出来んのかと!!」
拳をぐぐっと握り、馬鹿みたいに高々と発言しているのはトレンツである。
その彼の目の前に居るのは、馬鹿らしいとでも言いたげに椅子に座りながら紅茶を啜っているハクトだった。
「はぁ・・・(そりゃあ恋人同士ですからラブイチャくらいするでしょう)・・・で?」
ティーカップをカチャリと丁寧に置き、ハクトはシラけた目でトレンツを見る。
しかしそんなハクトをお構い無しに、トレンツはふふんと鼻を鳴らし胸を張りながらハクトに言う。
「そこでだ!俺とお前とで手を組んであのユーリの野郎とジェイドさんを別れさせるってのはどうだ!?」
「何故私が馬鹿で阿呆な貴方と手を組まなきゃいけないんですか。」
「よし、今の暴言は聞き流してやる。寛大な俺様に感謝しろ。」
「誰が馬鹿で阿呆であんぽんたんな人に感謝するんですか。」
「だぁぁやかましいッ!!つか何か増えてるぞおい!!とりあえず黙って俺の話聞け!!」
ビシィッと勢い良くトレンツに指をさされ、ハクトはとりあえず黙っておく事にした。
「いいか?俺様には華麗で完璧な作戦があるわけよ。」
「・・・。」
その作戦は
やはり馬鹿らしかった。