『笑顔の配達人』本編
□第二話『高校』
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それから月日は経ち
俺と富川は同じ高校へ進学した。
一緒にバカな話をしたり、恋の相談に乗ったり乗ってもらったり……。
富川なしで俺の高校生活を語る事はできない。
大人になってもコイツは親友だなと心の底から思えた。
将来の夢とかいう真面目な話も富川とだと何故か楽しかった。
「なぁ、河西って将来どうすんの?」
「はっ?いきなり何だよー。まぁ、一応考えてはいるけど…」
「おっ!」
「俺、弁護士目指してるんだ。」
「マジで?!すげーな河西!」
「なれるか分からないけど。富川は?」
「俺は…世の中の人を笑顔にできる仕事かな!」
「なんだよ、それ。」
「あっΣお前バカにしてるだろー!クソー絶対大物になってやるからな!俺の野望は宇宙規模だからなッ。マジで!」
「富川…意味分からん(笑)」
俺はこんな毎日が心地良かった。
いつも笑顔で明るい富川。
しかしそんな富川も俺の知らない深い苦しみを抱えていた。