『笑顔の配達人』本編

□第七話『養成所』
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その後、高校を無事に卒業した俺と富川は上京した。
そしてマスカワ芸能プロダクションのお笑い芸人養成所、通称MCSに入った。


養成所での授業は俺たちにとって全てが新鮮であった。




〜養成所に入って3日目〜


講師「はいっ。皆さんこんにちは。じゃ今日は面白い自己紹介してもらおうかな。」


右端にいた富川の方を講師がチラッと見る。


「よし、じゃあ君から。」



「はい!」


富川は大きな声で返事をすると立ち上がり皆の前へ出た。



「どうもー。富川でーす!名前は幸広―――――――――――。」




―――――――

富川の自己紹介は1分程で終わった。教室内ではちらほら笑いが起こった。


「よーし。じゃあ次ー。」



俺の番が来た。

緊張で冷や汗が出ているのが自分でも分かった。


「河西、頑張れよ!」

富川は笑顔で俺の肩を軽く叩いた。


「おぅ。」



俺は立ち上がり皆の前に立った。


しかし、


「あっ…えっと……かっかわ…にしで…す。あ…の…」





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