原作沿い連載

□標的4/犬みたいなひと
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あの後、どうにか「学校では普通にしててね」と獄寺君には釘をさしたけど、本当にわかってくれたのかなぁ。

それにしても、これからは学校にもマフィアの影がちらつくのか。
しかも、とうとう死ぬ気弾まで撃たれてしまった…。
唯一の救いは、ギャラリーがリボーンと獄寺君だけで場所が自宅の庭だったということだ。
これでは着実にボンゴレ10代目に近づいていってるじゃないか。
私みたいなのには絶対無理なのに。
私は綱吉君とは違うんだから。


その夜は疲れていたはずなのに、今後の生活に対する不安と如何にして状況を打開出来るのかと悶々と悩んでいたため、あまりよく眠れなかった。













朝からテスト返却か…。




あまり好きではない理科の……誰だっけ?まあいいや。
正直少し耳障りな先生の声が生徒の名前を挙げていく。
私はもう呼ばれていて、既に手元には返却されたテストがある。

ちなみに82点だった。
頑張ったんだよ…それでも奴は来たけどさ。
奴というのは言わずもがな、もみあげカールの赤ん坊である。


大きく戸を開ける音がした。



(来ちゃったー!)



昨日認めたくないけど悲運にも部下になってしまった、獄寺隼人君その人である。
随分目立つ遅刻であるにも関わらず、まったく悪びれる様子はない。
これには理科の先生も癪に障ったのか、教卓を叩きながら声を張り上げた。


「コラ!遅刻だぞ!!
 今ごろ登校してくるとはどういうつもりだ!!」

「ああ!?」


鋭い眼光に、あまり根性のなさそうな先生は耐え切れず怯える声をもらしていた。



(とりあえず目を合わせないようにしておこう)


彼のことが嫌いなわけではないが、正直あまり関わりあいたくはない。
なのに、その努力を無碍にするかのように彼は私を見つけると大股で歩み寄ってきた。
(目が輝いた気がする。気のせいだと思いたい!)



「おはよーございます10代目!!」
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