原作沿い連載

□標的9/毒物はカラスを殺す
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夏がやってきて、蝉の鳴き声が聞こえ始めた頃
それはやって来た。


「ママチャリにゴーグルとヘルメット??」



世の中には色んな人がいるなあと思いつつも、暑さのせいで幻でも見えたのかと思った。
その女性は私の真横で自転車をとめると、ヘルメットをはずした。
美人でスタイル抜群なのに、変ってだけでその他もろもろ台無しだなあ。

暑さのせいで判断が鈍っていたのかもしれない。
彼女が「どうぞ」と缶ジュースを投げてきて、それを咄嗟に避けてから中身が吹き零れるまで
彼女が誰だか気がつかなかった。


「もしかして…ビアンキ?」


毒々しい煙を吸ったカラスが電柱の上から落ちた。






「いやああああああっなにソレーっ!!」

「オレの夏の子分たちだぞ
 情報を収集してくれるんだ」

「家の中でしないでよ!」


私の部屋で、虫特有の羽音をたてながらカブトムシが飛んだ…それも何匹も。

ビアンキに危うく毒殺されるところだった私は、急いで自宅に戻った。
自室で落ち着いて考えようと扉を開けると、そこには大量のカブトムシを顔に張り付かせた家庭教師がいた。
驚かないほうがおかしい!
あんな大量のカブトムシをこんな至近距離で見たのは初めてだ。
うう…気持ち悪い。

「おかげで情報が掴めたぞ
 ビアンキがこの町にきてる」

やっぱり!

「もしかして、それって茶髪のロングで美人なのに怪しい毒物もってるひと?」

「なんだもう会ったのか」

意外だったのか、珍しくリボーンは驚いているようだった。
くりくりの瞳をまたたかせていた。
(見かけはこんなに可愛いのに中身があれなんてホント詐欺よね…)

「いきなり変な缶ジュース貰って、避けて零れたかと思ったら
 それからいかにも有害そうな煙が出てきてカラスが1羽尊い犠牲にっ!!」

危うく殺されるところだった私は、勢いよく捲し立てた。

「おそらくそれはポイズンクッキングだ
 おいつは毒サソリのビアンキっていうフリーの殺し屋で
 毒入りの食い物を食わすんだぞ」

「ということはあのジュースも?」

「そうだぞ」

「なんで私が狙われるの?何もしてな

 ピンポーン

 誰?こんな時に…」


「イタリアンピザでーす」


「!リボーンこの声!!」

「噂をすれば、だな」
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