原作沿い連載
□標的10/毒殺免除?
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獄寺君を探して神社の近くまで来た。
名前を呼ぶけど返事がない…もう帰っちゃったのかな?
「……だいめっ…ここ………っス…」
「っ獄寺君!?」
ほのかに聞こえた声を頼りに見渡すと、境内の近くの木の陰で蹲る彼を発見した。
何故日本にアネキがいるんだ?
オレは10代目にスイカを差し入れにきただけだったのに、
どうしてこの世で最も恐ろしい魔女を見なくてはならなかったのだろうか。
スイカもおそらくダメにして、碌な挨拶も出来ないまま立ち去るという醜態を晒してしまった。
「獄寺くーん!だいじょーぶー!?」
10代目!?
わざわざ追いかけて来てくださったのだろうか。
初めて見た時は、こんな平和な土地で何も知らないで育った世間知らずだと思った。
他の生徒となんら変わりない。
成績も評判もなかなかだったが、ただそれだけだろうと思ったのだ。
だから試した。
オレが仕えるのに相応しい人間かどうか…
だけど彼女はオレの想像を超えていて、自分を爆破しようとしたオレを助けてくれた。
ボンゴレの特殊弾の話は聞いていた………死ぬ気になって生き返ることができる弾。
それは後悔がなくてはそのまま死んでしまうリスクも背負っていた。
そして、彼女が死ぬ前に後悔したのは火を消すことでオレを倒すことじゃなかった。
そのおかげでオレは命拾いして、今こうして生きてる。
この人にならオレの命を預けられると思った。
残酷な世界だからこそ、ボスというのはきっとこういう優しい人がなるべきなんだ。
だけどオレは、未だにアネキを見るだけで腹痛を起こしてしまう情けねー奴で…
あの人の右腕になれるよう…あの人の右腕としてに相応しくありたいのに、
オレはこうしてあの人に手間をかけさせている。
不甲斐ない。
なのに、それをこんなにも嬉しいと感じているのもまた事実なんだ。