原作沿い連載U

□標的43/突撃びふぉーあふたーU
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ロンシャンの案内で、一行は母屋にある彼の部屋へと向かっていた。


何度いったらわかるんだカス!!
Cマイナーはこうだろ?
てめーはボーフラか!!
故郷(くに)に帰すぞ!!


ただごとではない怒鳴り声に、ニナもビクッとしてしまって、ハルとランボとイーピンが一斉にニナにしがみついた。
通り道だったこともあったがニナはつい気になって、色んなものを引きずりつつその声の出所を覗いてみた。


「ごめんなさい〜故郷には帰さないで〜〜〜」


そこにいたのは、泣き崩れて俯いた少年(後頭部にたんこぶ)と、てくてく歩いて襖を閉めようとしていたルンガだった。
自分らの空間を隔離するように襖に伸ばされた手が、現れたその他大勢の中からニナを見つけるとぴたりと止まった。
彼のぷくぷくとした頬には赤みが差し、そのままじーっとニナを見上げる。

ニナは(さっきの怒鳴り声って…)と思いながらも、以前のように自分を見つめる視線に落ち着かなくて
とりあえず、ぎこちなく愛想笑いを浮かべて会釈する。


「こんにちは…」

「……(こくん)」


今度は前の時のように視線をそらされることもなく、ルンガはゆっくりと頷いた。
静かに閉められた襖から聞こえたのは泣いていた少年の声で、さっきとは打って変わって喜色に富んでいた。


「あはは!
 ルンガってば相変わらず沢田ちゃんにメロメロだよねー!」

「…そーゆーんじゃ」

「「本当ですか10代目(ニナさん)っ!?」」


実は似ているんじゃないかこのふたり……言葉を遮り、口を揃えて同じ質問をされてニナは思う。
さっきまであんなに口論していたというのに「真似すんな!」「されたのはこっちですーっ!」…また始まった。


「違うから…ふたりとも落ち着こうね」
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