原作沿い連載U
□標的51/ただいま捜索中捜索隊
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―――寝た。
何がって赤ん坊2人組みがである。
この状況で「お昼寝の時間だぜ…」はあんまりだ。
コロネロに対しては、リボーンよりもまともな人だと思っていただけに余計にショックだった。
ご丁寧に、ニナのお気に入りである両方の相棒たちまで鼻提灯膨らませている。
ちょっと悲しい…。
だからといってニナも何もしなかったわけじゃない。
鼻提灯を割ってみたりしたが意味はなく、逆にすぐに再生してきて気持ちが悪かった。
ほっぺを引っ張ってみても全然起きやしないし、触り心地がいいのが判明しただけだった。
また触りたいなんてちっとも思って……ないとは言い切れないが。
こうしている間にも、どーんどーんと島中に砲撃が続いている。
これからどうすればいいのか、どこへ行けばいいのか…事態を丸投げにするかのように寝た赤ん坊を見つめ、ニナは考える。
ロンシャンと2人で放られてもどうすればいいのかさっぱりだし、何が出来るとも思えない。
ニナは鼻提灯を出現させる前のリボーンを思い出すことにした。
そういえば……リボーンは眠る直前に、地下鉄でマフィアランドへ戻ると言い残してはいなかっただろうか。
寝始めていたから途中で途切れてしまっていたが、たしかにそう言っていた。
その言葉を頼りに従い、仕方なくロンシャンと一緒に地下鉄の線路を歩くことにした。
線路を歩くハメになったのは停電で地下鉄が動かなかったからだ。
一応念のためにリボーンも持ってきた。
ロンシャンと2人きりでは心もとないではないか。
まあそんなロンシャンでも、暗い道のりでそう暗い気分にならなかったのは、
相変わらずどやかましかった彼のおかげだったのかもしれない。
「ひゃっほー沢田ちゃん!!
ピースピース!!
トンネルぬけたよ!!」
「うん」
やっと肉体にまで光が到達するくらい出口に近づいた。
ロンシャンが飛び跳ねて喜ぶが、身振り手振りが大きすぎて危うくニナは衝突しそうになる。
避けたせいでずれたリボーンを抱きなおすと、大きな城が見えた。
首を大きく逸らさなければ、天辺が見えない。
「なるほど!ここにでるんだ!!
マフィアランドの象徴(シンボル)マフィア城!!」
「ほあー…ねずみの国みたい」
作った人は意識して作ったのだろうか?
少し前から砲撃が止んでいたからか、ニナは暢気にもそんなことを考えてしまっていた。
「ロンシャン君こっちこっち!!」
うわぁ………城に圧倒されていたニナの顔が瞬時に引きつった。
白の扉の隙間から、細長いものが見えたからだ。
「早く城の中に!」
「マングスタ!」
やっぱりか!
一瞬入りたくないなあなどと思ってしまったが、彼らがいて、ロンシャンを呼ぶと言うことは、
少なくともそこは安全だということだ。
ニナは苦手な細長い人物が手を振っている扉の前に、足どり重く近づいた。
「ボンゴレもいっしょかあああ!」
「まーまークールダウン〜!」
ロンシャンを呼び込むのに振っていた手を、今度はプンプン怒りながらブンブン振っている。
何かしら言われるだろうとは思っていたが、あんまり予想通りすぎてニナはもう怒る気にもなれなかった。
いいかげんこのノリにも慣れてきたのだ。
受け入れたくない気持ちが顔にあらわれていたが…