原作沿い連載U

□標的56/天下無双の花嫁V
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やがて会場の照明はごく僅かなものとなり、キャンドルサービスへ移行しようとしていた。
入刀は滞りなく済んでいたようだ。
ニナはあたりが暗くなってから初めて気がついた。


「10代目?お加減でも悪いんスか?」

「そんなことないけど……」

「そーっスか…。ならいいんス!」


気落ちしているようなニナに獄寺が声をかけるが、顔の向きはニナとは大幅にズレていた。
暗闇でサングラスはかけるな、という尊い教えである。

ニナは感づかれたことにも驚いたが、その後にかっといつものように笑った獄寺には不思議と安心した。


「おっ獄寺機嫌いいのなー」

「あぁ!?」


笑顔の先にいたのが山本だったのは、この際本人のために黙っておくことにする。


「ぐぴゃっ」


膝が急に軽くなった…と思ったら、また戻った。
今のはランボの悲鳴のはず…だけど膝の上にはちゃんと黒いもじゃもじゃが……


「まあまあ上手く乗り切ってるじゃねーか」

「りっ!?」


黒いボルサリーノに変わっていた。
危うく名前を呼びそうになり、慌てて口を噤む。
何でいるとか何でいなくなったとか、本当は言いたいことはいっぱいあったけど。

ていうかランボはどこだ。
ニナはリボーンが膝に乗っていて動けないので、足をゆっくり動かしてテーブルの下を捜索していた。
すると、何かふわっとしたものに触れた。
ああランボだ。
ふるふるしている。
泣くよこれはまずいよバズーカとか取り出したらどーするの。


「ちょ、ちょっとどいてランボが」

「うあああああああぁぁっ!!!」

ぼふんっ

「ほらー!!」


上質のテーブルクロスが大きくめくれ、かわりに見たくもない煙がもわもわと漂う。
十中八九間違いなく、ランボが10年バズーカを使ったのだ。
テーブルの真ん中あたりでごんっと鈍い音がした。
頭を打ったらしい。


「…っなぜ10年前にくるといつも痛いんだろう…」


何やら前にも聞いたことあるような呟きだが、それは本人の自業自得が(以下略)
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