拍手お礼〜IFシリーズ〜

□〜 IF CASE 雲雀 〜
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突然訪れた死、そしてまた突然訪れた生。
おそらく普通ではありえないであろう、前世の記憶を持ったままでの転生は
本来それだけで十分驚くべきことだ。
だけどもっと驚いたのは、ここがあの世界だったこと…





『生まれ変わったその先は…』〜 IF CASE 雲雀 〜





並盛中学校。
その応接室では、全校生徒ブレザーであるはずにもかかわらず黒い学ランを羽織った少女がいた。
他校生ではないし、そもそも学ランは女子が着るものではない。
その学ランの左腕の部分を見てみると風紀の文字が。
風紀委員が何故校則を無視するのか。
それは簡単なことである…校則違反ではないのだ。
正確には違反でなくした、ではあるのだが。

それは彼女が欠席していたら、いつのまにか入れられていた不良の溜まり場といわれる風紀委員に
勝手に入らされていたことから始まった。

その頃から不良の溜まり場とされていた風紀委員。
性質の悪い生徒が自分の思い通りの『風紀』を作るために利用していたためそうなっていたものだ。
なので、クラス内での希望者(この場合十中八九不良)もしくは風紀委員会による指名などで
決められることがほとんどだった。

彼女の場合、その指名にあってしまった。
小さい頃から家の事情で武術を嗜んでいた彼女は、絡まれたりする際に事あるごとに返り討ちにしていたので
その知名度が仇になった。
しかも欠席していたがために拒否権すら失った。
不運である。


彼女も理解していた。
自分があの『雲雀恭弥』のポジションにいるのではないかということを。
だからこそ風紀委員などには入りたくはなかった。
こういった平凡さを愛する精神は前世から変わってはいない。
しかし、雲雀の家の厳しい鍛錬により友人関係を幼い頃から築く暇がなかったことと、
精神のみ成人しているというアンバランスさで周囲からは微妙に孤立していったのだ。
そうなると、一度体験した中学など面白くもなんともなかった。

所謂サボりというやつだったのだ。

庇ってくれる友人もいなかったし、逆に頻繁に姿を消す彼女はやはり不良だったのかと
担任の教師もクラスメイトもまったく疑問におもわず、風紀委員会から指名されたのに納得さえしていた。
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