シナモンシュガー

□仕合わせの名
1ページ/1ページ




女みたいに声を上げて
浅ましいと思う?
綺麗だよ。あのひとは綺麗だ。
なんて皮肉。あなたが僕の穢れを取る毎に、僕は醜くなっていくんです。


だから、せめて。
優しく抱かないで。もっと痛くして。
いっそ、いっそ。








この躯ごと喰らい尽くして下さるのなら。











~そこに愛はないよ。~





愛なんて、要らない。
情は、僕とあの人の妨げになる。
雑念は、快感を鈍らせる。



獣のように
高く、高く、
鳴いて




愛される為に
愛を棄てて生きるのです。





紅と、白と、あなたのきれいな髪色だけが
僕が染まることの許された唯一の色。






あなたしか、要らない。



あなたの為にしか、生きることを赦されない。







此が、仕合わせ。





_

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ