本棚1

□音の強さ
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♪♪♪・・♪♪



犬が吠えるみたいにうるさかった。・・・何か違う気はするが、当面の目的は果たせたから、よしとしよう。




デコ「ちなみに何を思って弾いてたんですか?」



ガキの声で現実に引き戻される。


スバル「クズアーティストの代表(ウ゛ルー)には自分の家に帰らずピクルスとニコに働かせっ放しだし、バカ面は・・・何と無くイラつくだけだな。」


アクロ「ヒド!!」


は?上の方から何でバカ面の声が。


デコ「アクロさん、そんな所にいたんですか!?」

よく見たら、バカ面は自分の技巧(スキル)を使って天井を柔らかくし、この屋敷の天井に張り付いてる。って、お前は忍者か!


スバル「お前、オレの屋敷を破壊する気か!?言霊の詩(ワード・ソウル)で撃ち落としてやる!」

すると、オレの肩から、予想はしていたが、忠実に言う事は聞いてくれるが、たまにうんざりする時があるヤツの声が響いてくる。


ピクルス「坊ちゃん!一体何回屋敷を壊せば気が済むんで・・キュウ!」

スバル「お前・・いつからそこにいた。」

ニコ「スバル様が昼食を召し上がられた後から貼付いてましたよ?」

デコ「ニコさんこそ、いつからここに?」

ニコ「今さっきです。何やら騒がわしい声が聞こえてきたので。」



もう、怒る気すら失せてしまった。

デコ「アクロさん、見つかったので、隠れん坊は終わりですからね?」

アクロ「ちぇー。」





そうそう。さっき言ったクズアーティストの代表(ウ゛ルー)に対する想いは事実で、ニコやピクルスだけに頼らず自分でも何かやれ、と思ってるのだが、バカ面が何と無くイラつくのは、オレには慣れない事ばかり言ってくるからってだけで、実はそんなに怒りを感じる事は無かったのかもしれない。


ピアノの音が大きくなったのも、バカ面の事を考えてたと言うよりは、クズアーティストの自分勝手な行動に怒りを感じていたからだ。






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