本棚2
□止まらないココロ〜宵〜
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「(ん?オレ、寝てたのか・・・?)」
目を覚ましたスバルの視界には、いつもの天井が映っていた。
「(ま、いいか。ん?何か体が重い・・・。)」
起き上がろうとするものの、体が思うように動かない。
「(疲れてるのか・・・?)」
(ジャラッ)
「(『ジャラッ』て音まで・・・、ん?『ジャラッ』・・・?)」
とっさに起き上がるスバル。
が、スバルの体の自由は奪われていた。
随所に絡みついた鎖によって・・・。
「な、何だこの鎖は!?」
「あ、スバルさん、目が覚めましたか?」
「おいガキ、これはどういうことだ!」
「どういうことって・・・、こういうことですよ。」
デコはいきなりスバルのベッドに乗り込んできた。
「お、おい・・・!」
「あんまり動かれたら抵抗されちゃうじゃないですか。」
「な、何をする気だ!?」
「実はさっきの紅茶にスリープリーフという薬草を入れておいたんです。」
「どうりで急に意識が・・・。」
「それでスバルさんが寝ている間にここへ・・・。」
「おいガキ、早くこの鎖を解かないとぶちのめすぞ。」
「・・・それはできませんよ。」
図星だった。
スバルの両腕はあまり自由がきかない。
それにデコの声が小さくて『言霊の詩<ワード・ソウル>』が撃てない。
(くいっ)
「・・・っ!(く、首輪に鎖までついてやがる・・・!)」
デコに首の鎖を引っ張られて体が起きるスバル。
デコとスバルの顔が近づく。
「お、おい・・・。」
そっとスバルのアゴを手で触れるデコ。
「なっ・・・!お、おいニコ!すぐに来、むぐっ!」
ニコの助けを呼ぼうとするスバルの口をふさぐデコ。
(コンコンッ)
「どうかされましたか?スバル様。」
「・・・何でもありませんよ。」
「デコ君もいらっしゃるのですね。スバル様は・・・。」
「・・・何でもありませんよ。」
「そうですか・・・、失礼しました。」
ニコは行ってしまった。