りぼーん

□調教
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『ヒバリ、ヒバリッ』

「ちーがーう!ハ・ヤ・ト!」

『…カミコロス!』



.*湯イ教*.



「…隼人…何やってるの?」

雲雀が応接室に入ると、窓際には小鳥に(なにかを)一生懸命教えている獄寺の姿があった。
「あっ、雲雀!それがさ、こいつ全然言うこと聞いてくんねんだよー」
そう不機嫌そうに言って、獄寺は窓の桟にちょこんととまっているヒバードを指差した。
雲雀が風紀委員の仕事で応接室を留守にしていた間、獄寺はずっとヒバードに話し掛けていたようだ。

「で、何やってるの?」
雲雀がいつもの定位置、机の前に座りながら問う。
「だーかーら、見りゃ分かんだろ?俺もこいつに『ハヤト』って呼んで欲しいんだっ!」
獄寺は得意そうに言った。
「見ても分からないけど…そういうことだったんだ。でも『隼人』なら僕がいくらでも呼んであげるよ?」
「違うんだって!俺もこいつに、『ヒバリ』みたいに、『ハヤト』って言って欲しいってこと!」
父親におねだりするような眼差しで獄寺は訴えた。
「なんで?別にそんなのどうでも…」
本当にどうでもよさそうな面持ちの雲雀の言葉を、獄寺が遮った。
「よくねえっ!俺だってヒバードと仲良くなりてーんだっ」

ああ、そういうこと。
雲雀は理解したと同時に、小鳥でも軽く嫉妬を覚えた。

「でもよー、こいつ全然覚えてくれなくて、さっきから『カミコロス』とか『ムレルナ』とかばっかり言うんだよなー」
獄寺がヒバードの頭をなでながらぽそっと言った。
「ふうん。大変だね」
しれっと他人事のように言い放つ雲雀。
「てめーが覚えさしたんだろ!あんま変なこと教えんなっつーの」
「僕は教えてないよ。勝手に覚えたんじゃない?」
「ふんっ」

適当な雲雀は放って置いて、ヒバードに早く覚えて貰おう。
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