闇の正義

□2人の思い
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ビッグコンボイからの定期連絡が終わるとライオコンボイは、その場に腰掛て溜息を吐いた。彼から知らされたのは、あの船の真実。マトリクスを動力とする機関。それは、1度、異界の彼、ビッグコンボイによって、解放されたという。そして、あの船は元は訓練船ガンホーであったと。だが、そこでライオコンボイは、ふと思う。つまり、あの船は、異界とはいえ、サイバトロンの船。それにその船長は異界のビッグコンボイの子だという。なら、何故、サイバトロンとこれまでも戦ってきたのだろうか?異界とはいえ、同じ正義を信じる者であるだろうに


LC「・・・彼らは。いや、彼は、どうして」

ガル「・・何を考えている?」

LC「ガルバトロン」

ガル「・・・」


其処に現れたのは、前破壊大帝。姿は、ヒューマンではなく、ピンクのドラゴンの姿。ライオコンボイが座る椅子の傍に座り込み、首だけ彼に向けている


LC「彼はどうして、我々と相容れようとしないのだろうと思ってね」

ガル「彼?」

LC「キャプテン・ヴァロック」

ガル「・・」

LC「彼の父親は異界のビッグコンボイだという。なら」

ガル「異界の奴ならば、余計なのではないか?」

LC「?」

ガル「貴様ならばいざ知らず、あの男、正義を信じているようには見えん。いや、むしろ争いを好む男であろう?」

LC「!違う!彼は・・」

ガル「本人がどう思って居るかは、儂は知らん。だが、あのヴァロックと言う男は奴以上に正義と言うものを信じているような目には見えなかったぞ。あれは、正義など信じないと・・いや、サイバトロンを信じないと、そういう目をしておった」

LC「・・・何故」

ガル「理由は知らん。だが、そう思うのには相当な理由が無ければならないだろう」


それだけ言うと、だるそうに首を床につけ、寝始めてしまった。少し、咎めたように彼の名を呟いて、ライオコンボイは窓から見える空を見つめた


LC「・・一体、何が、彼に正義を・・私達を信じさせないのだろう」


彼の言葉は、夜の空へと消えていった



イデアエリュイスは、今、補給の為に商業惑星に降り立っていた。町の外れに船を止めた


「・・イデア、全員に自由時間だと伝えろ。日が沈む頃には戻るようにと」

イ「了解しました、船長」




ビッグコンボイは、ロラン達の誘いを断り、艦内に居た。特に町に行く理由が無かった。イデアに確認をしてみたが、ヴァロックも艦内に居るようだ。ビッグコンボイは、船橋に来ていた。此処には、今、誰も居ない。司令官席にもヴァロックは居ないようだ。そっと舵に触れる


BC「・・・・・・」


?「あんまり、触るんじゃねぇぞ」

BC「?!?!」


バッと声のした方を向く。だが、姿が見えない


BC「?・・・誰だ!」

?「・・そう騒ぐんじゃねぇよ。あ、あぁ〜、悪ぃ〜。迷彩システムONにしてたわ」


声のしたところがグニャリと歪んだ。其処に現れたのは、初めて見る人物。傍には、色んな部品があり、手元にも何か分からないが部品とドライバーなどの工具があった


BC「?オマエも、船員、なのか?」

FV(フェイルヴァート)「あ?あぁ。オラァ、フェイト。本名は、フェイルヴァート。元デストロン。アンタのことは、知ってるぜ。ワンマンズアーミー、ビッグコンボイ、だろ?あってるよな?」

BC「・・・あぁ」


歩み寄ろうとするビッグコンボイにフェイトが「あぁ〜!!」と大きな声を上げたのでビクッと強張る


BC「ッ!?な、何だッ!」

FV「そこ!そこにあるの踏まないで!!」

BC「・・そこ?」


足元をみると何かの部品が転がっていた。それを拾う


BC「オマエのか?」

FV「そう〜。くれ」


ビッグコンボイの方を見ずに右手を彼に向ける。寄越せという意味だと受け取り、手にしていたものを渡すと「ありがとさん」と呟くとそれと傍の部品を組み合わせる。カチャカチャと音が船橋に響く。其処にカツンッと別の方向から響く足音。ビッグコンボイが振り返る


BC「・・・キャプテン・ヴァロック?」

「?・・今度は、此処でしているのか?フェイト」

FV「悪いようなら、移動するぜ〜、キャプテンさんよぉ」

「・・今は良いが戦闘になったら、散乱しないようにしろよ。でないと、踏み潰されても、何も言えんぞ」

FV「うっわ!それ嫌じゃ〜ん!俺の可愛い〜部品達がスクラップになるのは勘弁して欲しいぜ」

「なら、今度、箱でも買っておけ」

FV「あぁ〜、箱ね〜」

「・・以前もそう言った気がするが?」

FV「あ?そうか?・・んじゃ、近々揃えとくぜ〜」

「・・・はぁ・・良い。今、物資の調達中だ。揃えておいてやる」

FV「お?めっずらしい〜!なんだよ?キャプテン自ら揃えてくれるってぇの?」

「まぁ、暇だからな。それに、オマエの部品を誰かが踏みでもして、乱闘になれば、下手をすれば、船に傷が付く・・・・・・それが嫌なだけだ」

FV「・・・へいへい。キャプテンの1番はこの船だもんな〜。つぅか、なんでそんなに大事なん?」

「・・・フッ、オマエがそれを大事なのと似たようなものだろうさ」

FV「・・あぁ〜、それとはまた違うような気もするけど・・ま、そういうことにしとく」

「・・・あとで領収書渡すからそのつもりでな」

FV「げっ!?おごりじゃねぇの!?」

「・・・生憎と、俺はそこまで優しくない」


ニヤリと笑い、ヴァロックは去って行った。ビッグコンボイはその姿を見送り、再び、視線をフェイトに移すとカチャカチャと作業を再開している
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