*短編*

□王子様みたいな彼氏さん
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「佳乃ー!!」
「正臣くんっ」

ただいま池袋駅。
私は東京に住むことになった。
駅で(一応)彼氏の紀田正臣くんと待ち合わせをしていると帝人くんも来てくれた。
二人とも幼なじみなんです。
帝人くんが東京に来た次の日に来たから来てくれたのかな。

「いやー、帝人に続き佳乃も東京かぁ」

駅から遠ざかって話していると急に正臣くんが話を変える。
相変わらずだなぁ、なんて思ったり。

「なんでそんなに不思議そうなの? 紀田くん」
「だって、幼なじみ三人がまた同じ学校に通うんだぞ?」
「確かにっ、でも帝人くんとはなんか久々な感じがするなぁ」
「うん、僕もだよ。佳乃」

帝人くんが笑顔を向けてくれたとき、正臣くんが驚きの声を上げた。
何かと二人で正臣くんを見ると、声に続き驚きの言葉を言った。

「い、いつの間に俺の佳乃を呼び捨てにするようになったんだ?! 帝人!!」
「わわっ///」

ぎゅっと後ろから抱きしめられて硬直。
そんな私達をほかに、帝人くんはさらりと言った。

「紀田くんが転校してちょっとしてからだよ。佳乃がそうしてくれって言ったから」
「佳乃ー!! 浮気か?! 浮気なのか?! あんなやつでもいいのかー?!」
「あんなやつって…。傷つくよ、紀田くん…」

ごもっともな意見だね、帝人くん。
ていうか誤解してるよ…!!

「ち、違う違う!! 私は正臣くん一筋だし、帝人くんは友達として好きってわけで…!!」

そういうと帝人くんは呆れたように笑った。
一方の正臣は目に涙を薄く浮かべて私をより強く抱きしめた。

し、正直…恥ずかしい…///

「でも寂しかったんだよな〜。佳乃に会えなくて」
「紀田くんは本当に佳乃が好きだもんね」

帝人くん…
正臣くんの影響?
さらりと恥ずかしいこと言ったよね…?
それとも天然?


*
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