雨の日の初恋
□出会いの瞬間
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昇降口に着き、靴を履き替えて外にでる。
やはり外は激しい雨が降り続けていた。
傘持ってきておいてよかった、なんてそんな事を思いながら傘を広げ激しく降る雨の中へ入っていった。
ザァ――――…………
相変わらずおさまることを知らない雨。
濡れやがるし歩きづれぇし…ホントめんどくせぇ
「にゃー」
「猫さん大丈夫?」
歩いていると近くから猫の鳴き声と女の声が聞こえてきた。
声がした方を見てみると、そこには猫に傘を差し出す女と猫がいた。
「お散歩途中に雨が降ってきちゃったんだね…」
「にゃー」
「晴れたらまたお散歩沢山してね!」
なんとなくその光景をしばらく見ていると、女は自分の傘を猫の屋根代わりとして床に置いた。
馬鹿かアイツ!
こんなに雨降ってんのに傘無しで帰るつもりか!?
そんな事を考えているうちに、女は既に激しい雨の中を傘無しで歩き出していた。
…別にアイツが濡れて帰ろうが俺には関係ねぇじゃねぇか
見ず知らずの奴だしよ
頭の中で葛藤を続けていると、もう一度あの女の背中が目に入る。
あぁ、くそっ…!
気がつくと俺は女に追い付き、傘を差し出していた。
なんで気になったのか分からない。
だが、それを知る統べもこの時の俺は持ち合わせてはいなかった。
ただの気まぐれ。
そう思ってたんだ。
To be Continued...