Rikkai
□第三の目
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「ねぇ、におー。」
「なんじゃ?」
「その髪って、まさか地毛じゃないよね?」
「…秘密じゃ。」
そうやって、してやったり顔で笑う、斜め前の席の仁王。
席が近いからよく話はするけど、
いっつもいっつも、私の質問ははぐらかされてばっかり。
「…もしかして、単に目立ちたいだけだったりして?
「さぁ、それはどうかのう。」
またはぐらかされた。
でも、そのニヤリ顔もかっこよくて何かムカつく。
くそぅ。
「…でも、お前さんなら。」
「え?」
「お前さんなら、
俺の髪が銀だろーが黒だろーが、
どこにいても俺のこと見つけられるじゃろ?
授業中も、よく見てるもんなー俺のこと。」
「…っ!!」
第三の目
(仁王って、頭の後ろにも目があるの?!)
(さぁ、どうかのう)
(…お前さんを見るために何回も振り返ってるからだって、何で気付かんかのう)