Hyoutei

□夢なら夢のままで
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サヨナラを言った私を引き止めなかったあなたを



本当に優しい人だと思った






それを伝えることは、


もう永遠にないのだけれど。




















あなたと両想いになれるなんて、

天地がひっくり返っても有り得ないと思ってた。


だから、あの時は本当に本当に嬉しかったんだ。



何回も夢じゃないよね?って聞く私に、

俺様を信じろ、と頭を撫でてくれたあなたのことが、

本当に大好きだった。




嫌がらせだって、

あなたがいれば何でもなかった。






でも、

でもね、



理由はそんなことじゃなくて。





大好きで、


大好きで、


本当に大好きになってしまったから、



あなたに捨てられるのが怖くなってしまった。





一度それに気付くと、

もう前のように笑うことは出来なくなった。




あなたに嫌われないように、

本心は隠したまま、いつも曖昧に微笑んでた。



その時あなたは、

少し眉間にシワを寄せながらも、

何も言わず、

ただ哀しそうな目をしてたね。





ごめんね



そんな顔をさせたい訳じゃなかったの。




あなたには、


心から幸せになって欲しかった。





ただ、


ただ、その時隣にいるのが、


私じゃなかっただけ。










夢なら夢のままで





(あなたの背中を追いかけていたあの頃なら)

(現実なんて見なくて済んだのに)






(愛して、います)

(今も)




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