novel
□ペットと散歩
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今日はセツの親父、翼との食事の日
飯を食うのは昼の約束だから、その後にセツと遊ぶ(散歩)ことにした
「色!出掛けよう!」
「今行くから。ちょっと待て」
見えない尻尾をぱたぱたと振りながら俺に抱き着く。身長が高くて、そこそこ筋肉がついてるコイツはちょっと重い。
「セツ、重い」
「ごめん」
俺に叱られたと思ったのか、尻尾と耳が垂れている
「クスクス。お前、ホントに犬みたいだなぁ。」
「うん!俺、セツの犬だもん」
頭を撫でてやれば気持ちよさそうに目を細める
翼に言われたレストランに行くと、用意されていた個室で待っていた。
「お、色。やっと来たな……は?…おい、色」
俺の方を見た翼は目をまんまるく見開いている
「なんだよ。遅刻はしてないぞ」
驚いている翼をスルーして、翼の目の前のソファへと座る
もちろん、セツは俺の隣に座り、腰にしがみつく
セツの髪を弄りながら部屋を見回す
「今回も凄い所選んだな 」
「あ?まぁな、俺にかかればどうってことねぇがな」
ここは超が三つ付くほど高級な所で、よほどの金持ちじゃないと入ることが出来ない。ましてや、そこの個室なんて易々と取れるもんじゃないっていうのに…
翼がじっと俺とセツを見る、
「…それより、お前、ホントにそれ俺の息子か?」
「失礼な奴だな。自分の息子に向かって。」
「いや、だってよ。俺の息子は3日?いや2日か?…まぁそんぐい前まで手つけらんねぇ程の暴れ者だったんだぞ?」
ましてや人に懐くなんて…、とぶつぶつ話す
「いやいや、セツを俺ん所に寄越したのは自分だろうが…」
「まぁな。…いやぁ、しかしホントにすげえな。お前に頼んだかいがあったよ」
ドサッ、とソファに座る。するとタイミングよく料理が運ばれてきたので、とりあえず飯を食うことにした
「…」
「セツ、どうした?」
黙ったまま食事をしないセツが気になる、
「雪は滅多に飯食わないぞ。」
そんなセツを気にすることなく翼は料理を食べる