novel
□お久しぶり、
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セツが帰って一ヶ月程が過ぎた
俺は学校の近くの家に戻り、終業式を済ませ゛猫の目゛に向かう
今日から春休みで、短い休みながらも学生にとってはかなり嬉しい
自転車に乗って向かうと、果物屋においしそうな苺が…
キキィッ!
自転車を止めて苺を1パック手に取る
「まいどー」
おばちゃんの声を背中に受け、ペダルをこぐ
10分程走らせ、店が見えてくる。開いていない店の前に見覚えのある姿が…
モデルのようなすらりとした身体に赤いジャケットを羽織り、腕には大量のブレスレット
指にはゴツイ指輪…
あれはもしかして…
「猛〜」
俺の声に店の前のいた人物が振り向けば
「シキ!!」
わぁお。久しぶりとは言え、素晴らしく綺麗なお顔で
ワイルドな顔にはピアスが何個も。何回見ても痛そ…
「うぉっと!危ないっつの!」
自転車に乗ったままの俺に抱き着いてきたそいつは獅子堂 猛
ちょっと前に知り合ってから、やたらと店に来るようになったんだけど…
「なぁなぁ、今日の夜に集会あるからさ。久しぶりに来いよ」
俺が作った苺タルトを食べながら猛が楽しそうにフォークを回す
明らかに不良と分かる人物がおいしそうに甘いものを食べているのを眺める
猛が言っている集会とは、族「read」の集会のことだ。猛はそこの総長を務めている
「ん〜、時間にもよるなぁ…。何時頃からやるの?」
「7時くらいからかな」
7時か…。その時間帯はちょうど次の日の準備してる時間だな
少しばかり考えていると
ダメか?と寂しそうにする
まぁ、ずっと行ってなかったしたまにはいいかな。
「いいよ、」
「ホントか!?」
「あぁ、でも2時間くらいしかいれないけど…」
それでもいいか?と尋ねれば即答でもちろん!と返事をし、迎えに来ることを約束して帰って行った
さてと、先に風呂にでも入って準備してるか…
店にCloseの看板をかけ、2階へと消えて行った