ギャグ

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ピコピコピコピコ



「よし、次はやっとボス戦だ!」







いやぁやっぱゲームは楽しいな!



コレをしている時だけは今のツライ現実を忘れられるよ。



あ、ちょっとHPがヤバイな…。



一回村に戻って回復薬買おうっと。








「ツナ、お前もう宿題は終わらせたのか?」




「もううるさいなぁリボーン、そんなもん後でやるからちょっと待てって!」





少し苛立ち気味の声で答える。



待ちに待ったボス戦だもん、これを倒せば次はラスボス!



そんな時に宿題なんてやってらんないよ。




お、よし!セーブ完r「俺に指図すんな。」



ズガンッズガンッ!!





「Σあぁーっ!!!」






セーブも完了し、やっとゲームを再開しようとしたところにリボーンが銃を発砲した。



コンセントが飛び出して煙を立てているゲーム機は、もはや原型を留めていない。




ぷすぷす…




「何すんだよリボーン!!」




「お前がそんなのにばっか集中して勉強しないのがいけないんだぞ。それにお前が俺を待たせるなんて百年早ぇ。」




「だからってゲーム機壊さなくても!」




「だって邪魔だったんだもん☆」




「『だもん☆』じゃねぇ!あぁ…これじゃもう遊べないよぉ〜。」






ツナは悲惨な状態になったゲーム機に近寄った。






ギー ガッガッガッ ボスンボスン!







「なんかものすごい音出してるし…。」







ギューギギギギ ボンッボンッ ヤッホーオゲンキッキッキギギギギ ボフンッ






「あれ?なんか今変な音聞こえたよヤッホーお元気?って聞こえたんだけど。

本当に大丈夫かなコレ。」





ギーッ…











バンッ!!!







「うわぁああああ!!!」









「いてててて…

ゲ、ゲーム機が爆発した!!そうだ!リボーンは…


あ…れ…?」







お、俺今自分の家にいたよね…



うん、でもさ…。












がやがやがやがや…




「ホラあんた、ちゃんと働いて!」

「ヘイヘイ分かってるって。」



「安いよ安いよ〜!今なら毒消しが15ギリーだ!」

「おっちゃんそれちょうだい。」

「へい毎度あり〜!」



「ほらもっとしっかり刀を振らんか!」

「はいお師匠様!!」












ここ…どこだ?!










パッと見小さな村みたいだけど…なんで俺がこんなところに?!







「おんやぁ、こんにちは勇者様。」




「ゆ、勇者様?!」






しばらく放心していると、畑に水やりをしている老人に話かけられた。






「その身なりは勇者様だべ?」




「え?」




ふと後ろにあった民家の窓で自分を見てみる。






「Σんなッ?!」







大きなマントに腰にさした刀、まるでゲームの主人公のような格好。







「も、もしかしてここって…ゲームの世界?!」




「げえむ?何を言ってるんだい勇者様。

ここはパァーイン村じゃないか。」




「…なんとなく名前からして嫌だなこの村。」







一抹の不安を感じつつ、これからどうしようかと頭を抱えた。






「それにしても勇者様ぁ、どうしたんだべその怪我。」




「え、怪我?何のこ…うお!?」






さっきまで気付かなかった!!


足と手から血が出てる!








「いててて!!」




「今頃痛みだしたのかい。

これでも食べて元気だしな。」


ヒュッ




「!」



パシッ!






ツナは老婆が投げた赤い物体をキャッチした。







「食べんさい。tomato(とぅめいとぉ)だよ。」




「ババア発音いいなオイ!!

あ、ありがとうございます!」





モグモグモグモグ…





「おいしい!」





「…お?」






トマトを全部食べ終わると、傷口が塞がり、痛みがひいていった。




そっか、ゲームの世界だから何か食べると回復するんだ。







「そうそう、ついにあのメガゴブリンを倒したんだねぇ。」




「メガゴブリン…?確か現実世界で倒したボスだっけ。

はい、倒しました。」




「村長がお呼びになってたよ。」




「え、村長が?じゃあ行ってみます。ありがとうございました。」






ツナは老婆に頭を下げると、急いで村長の家にむかった。





「気をつけてな〜勇者マグロ様〜。」




「ハァ?!マグロ?!!」




「背中のマントにそう書いとる。」







慌ててマントを見ていると、大きくマジックペンで「マグロ」と書いていた。






「誰だコレ書いたヤツ!!
…ん?ちっちゃくなんか書いてある。」






《ちょっと生臭いゾ☆笑》








ビリッ!!







「…ぜってぇ書いた犯人潰してやる。」









ツナは腰の剣を握りながらそう呟いた。








◆◇◆◇◆◇◆◇





「村長の家ってここだよな…。確か白髭のおじいさんだっけ。」






コンコン







「どうぞ。」






ノックをすると、返ってきたのは老人の声ではなく、青年らしき声だった。







「(…?)

失礼します。」






ガチャ






「君ですか?勇者マグロというのは。」




「・・・。」




「どうしたのです?早く座りなさい。」




「ちょっと待て、なんでお前がいるんだ。」




「クフフ…僕がいたらおかしいですか?」







扉の向こうにいたのは老人





…ではなく、白髭をたくわえ村長のコスプレをした六道骸だった。








「おかしいわ、明らかにおかしいわ。
お前がこの世に存在していること並におかしい。」




「いきなり存在自体否定?!

いいからさっさと座りさい勇者マグ…いって!!!

ちょ、いたたたたたた引っ張らないでその髭止めてマジで痛いから!!!」




「ぇ、これ偽物じゃないの?」




「のりと間違えて瞬間接着剤付けちゃったんですよいたたたた」




「ホントいたたたただね。もう全体的にっていうか存在全てが。」




「どんだけ君は僕を消し去りたいんですか!!

いいから座りなさい話が進まない!」




「チッ…わかったよ。」







村長、もとい骸の言われるがままに、ツナは円形のテーブルを挟んで骸の向かい側にゆっくり腰掛けた。






「ぇー…ゴホン。

メガゴブリンの退治、見事でした勇者マグr」チャキッ





「その先言ったら…殺すぞ?」




骸の鼻先にはキラリと光る剣が構えられている。





「すすすすみません調子にのりました。

えぇ…勇者つなよし。
褒美としてコレを受け取りなさい。」






骸は後ろから何かを取り出した。






「コレって…俺のグローブ?」




「新しいあなたの武器です。それを持って、魔王を倒しにいきなさい。」




「魔王を…。」




「そう。

魔王はナーミ森の風の木の屋敷にいます。ヤツを倒そうとして帰ってきたものはいません。心してかかりなさい。」




「やだよ面倒。お前が倒せよ。」




「えぇー。ちょ、なんですかその脱力感は!」




「なんで俺が倒さなきゃいけないんだよ。嫌だよ怪我するの、さっきめちゃくちゃ痛かったし。」




「いいから早くいきなさい!姫もあなたのことを待っています!!」




「…姫?!」





姫ってまさか…京子ちゃん?!











「助けてツナくーん!」



「グハハハ姫は俺のものだ!」



「キャーッ!!!」








「京子ちゃんが危ない!急がなきゃ!!」




「では早くマントを巻いて行きなさい。」




「マント?マントなら…はい。」







ツナは無惨な姿に変わり果てたマントを渡した。




「な、なんてことを…!!」




「ぇ、ヤバかった…?!」




「私が…せっかく私が夜なべして作ったというのに!!」




「…。」




「それをなんと…。

これは村に対する反逆行為ですよ!」




「そうかそうか…お前が犯人だったのか。」




「え、なんで笑顔で近寄ってきてるんですか沢田綱吉。アレ?目が笑ってないっていうかその手にはめてるグローブは…」




「死ね。」




「ぎぃやぁああああ!!!」









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