季節の小説

□幻の美形の恐怖体験
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「冗談じゃない!断固反対します、会長!」
先程までの余裕は完全に吹き飛んだらしく、ルルーシュが声を荒げる。
「何よ、ルルーシュ。さっきまであんなに賛成してたのに」
「それは…!」
「諦めろ、ルルーシュ。ミレイさんから逃げられるわけないんだから」
「ライ!お前はそれで良いのか!?もしもこれを引けば俺達は…!」
ルルーシュがここまで反対する気持ちはよくわかる。
僕だって出来ることなら今すぐ逃げたい。
改めてミレイさんが机の上に広げた三つの紙を見る。
そこに書かれていたのは…
『1日男子は女子の、女子は男子の制服で授業に参加する』
『生徒会室を猫耳メイドで過ごす(語尾には必ずにゃんをつけること!)』
『1人男女逆転祭(全校生徒にお披露目あり)』だった。
何故だろう…僕とルルーシュをピンポイントで狙ってるとしか思えない…。
「僕だって嫌に決まってる。だが…悲しいかな逃げ切れるとは思えない」
「俺は諦めん!こんな屈辱味わってたまるか!」
「ならルルーシュが一番に引いていいわよ」
ルルーシュのあまりの剣幕にミレイさんが呆れたように言う。
「女性を差し置いてまで自分が罰ゲームを逃れたいって言うならね〜」
「なっ!?」
ミレイさんの一言はルルーシュのプライドを見事に刺激したらしい。
「さぁ、ルルーシュ。どうぞ、引いてちょうだい」
「俺は最後でいいです!!」
「あら、そう?じゃあ皆引いてって〜」
ミレイさんの一言を皮切りにまず女性陣が紙を引いていく。
「はい、次はカレン引いてちょうだい」
「はい、…………っ!!」
カレンが罰ゲームの内容を見た瞬間、崩れ落ちた。
「カレンッ!?」
僕はカレンに駆け寄ると彼女の罰ゲームの内容を見た。
「なっ!…カレンが『生徒会室を猫耳メイドで過ごす(語尾には必ずにゃんをつけること!)』だって!?」
「あ〜、カレンがそれを引いたか〜!」
「やっぱり俺達に引かせるつもりだったんですね…!」
「まぁ、引いちゃったものはしょうがないわね。カレンでも結構面白そうだし」
「ううっ…」
カレンは本当に泣きそうだ。
無理もない、お化けが苦手なのに、半ば強制的に肝試しをする事になった挙げ句、負けたらこんな羞恥プレイをさせられるのだから。
しかし、罰ゲームをミレイさんに撤回させるのはまず不可能。
ギアスを使えれば楽なのだが、そんなことはしたくない。
「(なら…僕がやるべき事は…)ミレイさん」
「ん〜?どうしたの、ライ?罰ゲームの撤回はしないわよ」
「それはわかってます。それよりも、ペアはどうやって決めるんですか?」
「あ〜、それは自由に決めちゃって構わないわよ」
「そうですか…ならカレンのパートナーは僕でお願いします」
「おっ、ナイト様のご登場って奴か!」
「茶化さないでくれ、リヴァル(罰ゲームの撤回が出来ないなら、カレンを最下位にしなければいい)」
それが僕の出した結論だった。
「ライ…」
「安心してくれ、カレン。僕が君を守るから」
「うん…ありがとう」
「お二人さん、仲が良いのは結構だけど、ちょっと人聞きが悪くない〜?」
いつの間に引いたのだろうか、紙をヒラヒラさせながら、不満げにミレイさんが言う。
「だったら、もうちょっと大人しい企画を考えて下さい!」
「良いじゃない、楽しいんだから…はーい、次は男子の番よ〜!」
「よし、まずは俺が…「ルルーシュは最後なんでしょ〜」…ぐっ!」
「ごめん、ルルーシュ。君の犠牲は忘れないよ…」
「へへっ、悪いな、ルルーシュ」
リヴァル、スザクと紙を引いていく。
「あ…」
「どうした?スザク」
「僕…『1日男子は女子の、女子は男子の制服で授業に参加する』だ…」
「スザクがか…違う意味で危険だな…」
「ルルーシュ、僕は後で構わない。先に引いてくれ」
「いや、俺が言い出した事だ。責任はとる、ライが先に引いてくれ」
「わかった…じゃあ、お先に…」
僕は箱から紙を一枚引く。
「……くっ」
「どうやらライ、お前が最後の目玉を引いたらしいな」
「…そうだ、僕が『1人男女逆転祭(全校生徒にお披露目あり)』を引いたよ…」
僕の言葉を聞いて、ルルーシュは笑い出した。
「フハハハハハッ!やはり最後に笑うのは俺ということだ!」
意気揚々とルルーシュは紙を引く。
「何々…『1日男子は女子の、女子は男子の制服で授業に参加する、
生徒会室を猫耳メイドで過ごす(語尾には必ずにゃんをつけること!)、
1人男女逆転祭(全校生徒にお披露目あり)の三つ』
だと……?」
「あら、最高の目玉を引いたじゃない、ルルーシュ」
「な、な、な、なぜだぁぁぁぁぁぁ!!?」
ルルーシュの叫びが生徒会室に木霊した……。
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