SUMMON NIGHT

□Kissing DNA
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 いきなり、視界がバサリと白くなった。





 「ふぇ?」


 何が起きたのか分からずにナツミはくぐもった疑問の声を上げる。
 上からは、キールの抑えた笑い声。
 自分の視界を遮る白の空間はキールのマントだと分かり、それを取り払おうとした。
 どうも抱きしめられているらしいので、もぞもぞ動き端を力いっぱい引っ張る。


 バサッ


 そんな音をたてて割とあっさり視界が白一色から開放される。
 見上げればやはり楽しそうに笑っているキール。なにげに瞳の端には涙が浮かんでいる。そうとう笑いをこらえているらしい。


 「何するのよ」


 ナツミの質問にもやはり笑って答え(られ)ない。
 そこでナツミは強硬手段をとる事にした。


 つまり。


 「笑うのやめて理由を話すのと、何処かしら殴られるの。どっちがいい?」


 その一言で彼は笑いを引っ込めた。
 なぜなら、ナツミの一撃は重装備組の一撃の二倍(もしくはそれ以上)に匹敵する威力を持つ。素手とはいえ召喚士である(つまり防御力の低い)彼が彼女の一撃を食らうのは自殺行為だ。


 「ごめん、ナツミ。君が外を見てボーッとしていたから」


 そう言いながら、マントから脱出した際に不安定な位置にいるナツミを座ったまま抱え込む。
 しばらく恥ずかしさによりジタバタしていたナツミだが、諦めたのかおとなしくなり、キールに身体を預ける格好になる。



 互いの体温が心地よい。



 聞こえてくるのは雨の音だけ。
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