リボーン小説

□暇つぶし
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「ケホっ・・・」

朝起きた時から、どうも喉の様子がおかしい。

喉のとおりが悪く、軽く咽る。

風邪の兆候って言うのは、多分あっていると思う。

雲雀恭弥になってからというもの病気知らずで来たというのに、

この季節の変わり目に障子を閉めないで寝ていたせいかな?

「どうなさいました? 恭弥さん」

朝食を出してくれている清に聞こえたらしく、心配げに覗き込まれる。

「なんでもない」

「なんでもない事なんてありませんよ。お咳だなんて! あら 少しお顔に赤みが。ダルいなんて事は? お熱の方は?」

ワタワタと慌てだす。

今までに病気らしい病気をしたことがない僕に大慌てになる。

これが草壁だったら、あまりのうっとおしさに沈めているなぁと思う。

清よかったね。長年の付き合いで僕が慣れていて。

「今日は学校を一時お休みして。病院で診ていただかないと」

パタパタと小走りに電話をかけにいく。

「大げさだな」

何事もなく朝食を再開する。

でも、たまには病院に行くのも悪くない。

一度入院を体験してみたかったから、今日は泊まりで行ってこようかな。

最近、日常がマンネリ化してきた気がするし、違う体験をするのも悪くない。








「どうぞヒバリ様。清さんからお電話頂き、病院の者一同心よりお持ちしておりました」

病院に到着すると、数人の医者と看護婦が入り口に控えていた。

「僕の前で、あんまり群れてると咬み殺すよ?」

人多すぎ。

「も 申し訳ございませんヒバリ様!! 以後気をつけます!!」

「そうして」

お命だけはぁと騒いでいる馬鹿は無視してあげるよ。

「っは!!」

代表の医者がビシっと背筋を伸ばして答え、そのまま診察室へ案内される。

群れでの出迎えは不満だけど、病院の雰囲気は悪くないね。

静けさを求める時には、ここにいるのも一興か。






「少々風邪の症状が出ておりますので、薬と点滴を」

「点滴はいらない。今日はここに泊まってくよ」

「はっ! では入院のご用意させていただきます。ヒバリさまには特別室の個室をご用意させていただきますので」

「そ」

案内された部屋は、特別室だけあって白い病室とは違って、木目の多い作りだった。

TVや冷蔵庫、軽いキッチンスタンド以外に一部応接室の様にソファと机が置かれている。

そこでしばらく静かに寝ることにした。






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