TOV短編

□XXX※
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突然与えられた、それは深い深いキスだった。
「ん…ッ…」
何が起きたかわからない。
宿でそれぞれに与えられた部屋に泊まって、明日は自由行動の予定だった。
(だからって自由すぎるでしょ!)
ベッドに横になり、いつの間にか寝ていたらしい自分に、いきなりのキス。
そういや、部屋の鍵をかけてなかった気がする。
顔を両手で包まれて、サラサラと流れる髪が首筋を擽る。
「ッ、は…ぁ…」
ようやく解放され相手を見れば、そこにはギラついた紫の瞳。
「ちょ、待ってよ…何いきなり盛ってるわけ!?」
「うるせー溜ってんだ、ヤらせろ」

さ、最近の若人はっ!

「た、溜ってたらそこらのおっさんでもヤッちゃうわけ!?ちょ、フレンちゃーん、ここに強姦魔が…」
「心配すんな、すぐに和姦になるんだから…」
な に い っ て ん の !?
「いや、でもね?おっさん正直疲れてんのよ。ほら、青年みたく体力有り余ってるわけじゃないし」
「戦闘中、年に合わず軽快な動きしてる奴が何言ってんだよ」

あぁ、もう埒があかないッ!

「だ、誰かぁ!助け、んんッ!!」
助けを呼ぼうとしたけど、唇を塞がれ無駄に終わる。
「ッ…ぅ…!」

正直言うと、この青年の事がよくわからない。
流されるまま何度か体を重ねたが、何故…俺なのか。
普通、健全な男子だったら欲情するなら女の子だろうに…よりによって男。しかも俺みたいなおっさん。
「アンタがいいんだ」なんて言われれば、求められているようで…正直、嬉しい。
だから、また結局流される。
(あぁ、でも…俺だって同じじゃない)
結局は似た者同士で、お互い求め合ってるのだ。

「ッ…は…ぅ!」
「…何だよ、おっさんもその気じゃねぇか…」
「ッ…うっさいわねぇ…」

生まれた年代とか、経験とか、たくさん違う所はあるけれど。

「んッ…ユ、ユーリ…ィ!」
「何だよ、レイヴン」

次元の違う、もっと深い場所で、自分達は繋がってるんだと思う。

「…抱いて。」
「りょーかい」



そう自己解決したのに、次の日に立てなくなり自由行動が出来なくなって後悔した。
「ぅ〜…青年の馬鹿…」
「おっさんが可愛いのが悪い」

あれだけヤッといてすこぶる元気な青年が俺の頬にキスをする。
何だか恥ずかしくて、枕に顔を埋め恨み言のように呟く。

「せーねんなんて、きらい」

でも、とても、すごく

「あいしてる。」



end

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