首rrrr!!

□甘くメルト
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(シズちゃんデレ発動)
(別人疑惑)
(ナチュラル犯罪者が居ます)




太陽が光も出せない程隠された空は何も描かれていないスケッチブックの如く、灰色で真っ白い紙上が広がっていた。
どんよりとした灰色が一面に広がる曇天の空でなければ、雨が振るわけでもない天気を眺めていたらある「欲求」が空を見ていた静雄を駆り出す

「あっ―…ケーキ食いたいかも。」

そう、無性に甘い物が食べたくなる欲求
周囲に知れ渡っている程甘党な静雄の呟きに即、反応したのは先輩でもあり仕事の上司でもある・トムだった

「何だ?腹でも空いたか、静雄」

そうトムが聞き返すと、独り言を聴かれ恥ずかしがったらしく…サングラスで隠しながらも耳まで赤く染める

「………………っうす。」

気恥ずかしいのか長い沈黙の後に短い返事で返す静雄を微笑ましく笑い、少し傷んでいる金髪を撫でるトム

「可愛いな〜お前は」

「ちょっ――トムさん、恥ずいっす」

トムのなでなでに恥ずかしがるがそう満更でも無い静雄
むしろ心地良いぐらいだと感じてしまうようだ

「確か…、近くに美味いケーキ屋があるって聞いたな。
今日はもう仕事もねぇし上がっても良いぞ」

「本当っすか、トムさん!先に失礼します」

「おう。気を付けろよ〜」

大きな子犬が尻尾を振りながらケーキ屋へと向かう姿を遠目で見つめるトムでだった
静雄の頭の中ではもう、どんなケーキを食べるかと考えられていた。知る人ぞ知る光景にナチュラルにさも、当然当たり前の如く―五階建てマンションから双眼鏡を使いst…人間観察をしているのは折臨也だ

「ちょっと何アレ!!蒼空を見てたらいきなり上司に撫でられてデレてんの、シズちゃん!!
オレにはツンしか見せてくれないって言うのに!子犬みたいに尻尾振っちゃっても〜可愛いなチクショウ。」

誰も入れないはずのマンション屋上で暴れ叫ぶ臨也
今が日中で住人が誰一人居ないから良いものの…かなり危ない状態である。人として

「さて、シズちゃんは可愛く鼻歌を歌いながら何処に行ったのかな〜っと」

再び双眼鏡を覗き込もうとした時、臨也のポケットに入っている携帯が震え着信が有る事を訴える
楽しみを邪魔され半ば怒りながら携帯のディスプレイを見れば其処に臨也が人間よりも恋い焦がれ愛する静雄の名を示していた

「……嘘!?シズちゃんの方から電話!!まさかのシズデレ発動!!」

まさかの出来事に興奮し鼻から流れ出そうになる液体を抑えながらも通話ボタンを震える指で押す
あくまでも平常心を装いながらも………

「もしもーし、どうしたの何か合ったの?シズちゃん。オレに電話してくれるなんて」

「あっ―…い、臨也。手前ぇ…その、今暇か?えっと…だな」

電話先から聞こえる静雄の恥ずかしそうな声に心の中で叫び悶える臨也
叫んでいる言葉は罪歌にも負けない愛の叫びのようだ

「珍しいね、シズちゃんからのお誘い?勿論――暇だよ。シズちゃんの為なら何時でも予定を空けれるからね!
…それでどうしたの?突然のお誘い」

「―…手前と一緒にケーキが食いたくなったんだよ。」

「シズちゃん!!」

まさかのデレと可愛い過ぎる、答えに口元を抑えずにいられない
すると、電話口から小さく呟く静雄




お前の家の前で待ってんだ。
寂しいから早く来いよ、バカ




その言葉を聞いた時には走り出していた。一番此処から近く…唯一静雄に渡した合い鍵が当てはまる事務所へと無我夢中で走り抜けて行く
愛する人をこれ以上待たせる訳にはいかないのだから







とろける、甘いケーキでした。



(お待たせ!!シズちゃん)
(来るのが遅ぇ…。遅れて来た分だけ構え、バカ臨也)
(もう、可愛いな!!)






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