首rrrr!!

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※続き





「ハイ、カフェオレ。砂糖は私的に多めよ」

「どうもっす。」

コツンと無機質な音を立て机に出されたクリーム色のカフェ・オレを美味しそうに飲み干している静雄

「それで、アイツが居ない時に来たのよ?それに私に頼みって何?」

早速、話を切り出す波江
何か歯切れが悪そうに喋り出す

「その、変な話なんっすけど。ノミ…臨也のコートを1着貸してくれませんか?」

耳まで赤く染め首を傾げるように頼む静雄に思わずコーヒーを飲む手が止まってしまう程だった
あの池袋最強、歩く喧嘩人形と詠われる彼が―恋人のコートを貸りに来たっと云う頼みを信じれるハズが…

「やっぱダメっすか…。」

波江の反応が無いイコール貸し出しはダメと答えが出てしまった静雄は肩を落としシュンとうなだれる

前言撤回。

今なら信じれる

「別に私の物じゃないから好きなコートを持って行けば、良いじゃない。」

臨也の寝室にあったコートを適当に持って来ると静雄に渡す
ベットの上に脱ぎ散らかされたコートを持って来てしまったが…まぁ良いかっと考えたようで何事も無かったようにソファーに座ると、コートに顔をうずくめて居る静雄が居た

「やっぱコレだな…。しばらく貸りていきます」

「えぇ」

コートを几帳面にたたみ、立ち上がろうとした時
狩沢達から頼まれて持っていた茶封筒をポケットから取り出し…そのまま波江に渡す

「あっ、コレ狩沢達に渡せって頼まれて持ってきた物っす。
何でも渡せば分かるって…」

「何かしら?」

静雄から茶封筒を受け取り、中身を確認すれば…其処には波江にとって悦ばしい物が沢山入っていた

「あぁ…誠二、誠二の写真だわ!!」

すぐさま茶封筒から取り出し、全ての写真を確認する
遠くから思い慕う事しか出来なかった弟の姿を写真とは言え…姿を見ることが出来た。それだけで波江にとっては幸せのようだ

「じゃ…オレは失礼します。」

「匂いが薄れたら、また来なさい。アイツのコートぐらい何時でもあげるわ。」

「…ッス!!」

それぞれの大切な人を抱きかかえ歩を進める2人
静雄は香りが少しでも薄くなる前に自分の家へと帰る
急いで家に入りベッドの上に鎮座している兎のぬいぐるみに借りてきたコートを着せ抱き付く

「んっ――…頼むからアイツの香り、しっかり付けよ」

香が移るように抱き締め眠りに落ちる静雄であった





―――――――――




「波江の奴がオレのコートを、シズちゃんに貸したって言うからピッキングして見に来たら…コレって可愛すぎるでしょ!」

短い針が4時の中間を示す時間帯に静雄の恋人である臨也が世間一般様で不法侵入と呼ばれる形で入って来たかと思えば、静雄が眠る部屋で鼻を抑え悶えている

「ふぅっ…ん、い…ざやぁ」

臨也のコートを着せ、「由比ヶ浜うさぴょん無槍丸」っと長く名付けられた兎のぬいぐるみを抱き、自分の名を寝言で呼ばれ
理性と呼ばれる糸は、あっさりと切れれば、今にも襲いたくなる気持ちが溢れてくる

「オレから貰ったぬいぐるみにコートを着せるなんて…本当ッ可愛いな」

少し傷んだ金色の髪を撫でると携帯を取り出し、貴重な一枚を収め満足すれば静雄の布団に潜り込む臨也

「起きたら殴られるに一票だけど………、仕方無いよねぇ。
だって」






愛おし過ぎて、可愛いんだもの



(なっ…何でお前が居るんだよ!?)
(そんな事よりも、オレの香り付いた?シズちゃん)
(…そのまま、ずっと居ろよ!香りが付かねえだろ!!)
(シズちゃん!!)






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