首rrrr!!
□素晴らしきぬいぐるみ事情
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由比ヶ浜は(ゆいがはま)っと読みます
イラスト「モフモフギュツ!」に描かれている兎です
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え―紳士しゅく…って、紳士と呼ばれる方が読んでいるのかな?でも腐男子って呼ばれる方も居るしな…。
改めて、皆さんこんにちは。僕が居る時間がお昼時なので、こんにちは。
紹介が遅れました僕は、主人・静雄様の部屋に居るウサギのぬいぐるみ『由比ヶ浜うさぴょん無槍丸』っと言います。
バーテン服が綺麗に畳まれ、必要最低限の家具しか無い部屋にポツンと眼帯と帽子を付けているウサギが居たらそれが僕です
おや?そろそろ静雄様が起きられるようです。
あっ、僕が喋れるって言う事は御内密に!
「んっ…。はよ、由比ヶ浜」
おはようございます。世間では既にこんにちはの時間なのですが、静雄様が「おはよう」っと言われましたのでそう返します
「今日は休みだし…一緒に番組でも見るか」
柔らかい僕の頭をポンポンっと触るとベットから降りられる
僕がこの家に来てから、静雄様がいらっしゃる時は必ず行動を共にします
サングラスを掛け良いとも!と叫ぶ番組を笑いながら静雄様がプリンを食べていると、インターホンの電子音が鳴り響く
滅多に鳴らないインターホンの音に僕は今だ馴れません。
「客か…珍しいな」
食べかけのプリンを机の上に置き、口にスプーンを入れ玄関に向かう静雄
流石に客人が来るという事なので由比ヶ浜は置いて行った
「1日お休み貰ったから…遊びに来た」
玄関を開ければ、苺クリームプリンの入ったコンビニ袋を掲げ変装をしている静雄の弟である幽が其処に立って居た
「久しぶりじゃねぇか、幽。
少し汚いけど中入れよ」
「うん」
人気俳優でもある羽島幽平こと平和島幽は毎日がまさに忙しく中々会えない故に久しぶりに会う幽に喜ぶ静雄
中に通してもらった幽は直ぐに兄の部屋に置いてある珍しい物に気付く
「兄さん、あのぬいぐるみは?」
由比ヶ浜を指さすとお茶の準備をしていた静雄が説明する
「あぁ…ノミ蟲の奴に押し付けられたぬいぐるみで『由比ヶ浜うさぴょん無槍丸』つ−んだ」
どうもです。
一瞬、臨也様のお名前を聞いた時に嫌そうな顔をされたようですが…気のせいだと信じたいものです。
「兄さんらしい良い名前だね。…でも、うさぴょんって」
「ノミ蟲の野郎が付けた」
「やっぱり」
机の上にお茶を乗せると嫌そうにデスボイスで由比ヶ浜に抱き付く静雄
由比ヶ浜に罪は無いよっと励ます幽に恥ずかしそうにぎゅっ〜と抱き締め照れる
「それもそうだな。」
ちょっ…静雄様!首が締まって息が息がぁあ!!
いや、ぬいぐるみの身ですが…やはり首を絞められると苦しいという物が有ります
「兄さん、由比ヶ浜を抱き締め過ぎだよ。オレにも構って」
「んぁ…悪い悪い。けど、どうした?急に甘えるなんてよ」
由比ヶ浜を自分の隣に置き幽の頭を撫でながらも首を傾げる静雄
しかし幽は黙ったまま身を寄せるだけだった
(…言えない。由比ヶ浜に嫉妬したなんて、絶対に)
人の醜い感情を胸の心奥深くにしまい込む幽だったが、甘えん坊な幽だとしか考えてない静雄である。
…実に仲の良い兄弟ですな。
臨也様がいらっしゃったら見れない光景。
あぁ、なんと
素晴らしき
ぬいぐるみ事情でしょう。
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