* 小説 - 短編 *

* HappyBirthday *
1ページ/1ページ



だいぶ寒くなってきた冬の頃。
旅していたオレ達は教会へと帰った。

冬の支度や報告が理由だったが
教会のみんなに会いたかったのもある。
それに、ハクレンにカペラを紹介したかったんだ。


「ただいま、ハクレン!」
「ブルピャー!!」

「あぁ!…おかえり、テイト!」


それからオレの後ろに隠れていた
カペラの背中を押してハクレンに会わせた。


「は、初めまして!ボク、カペラって言います!
 よよ、よ、よろしくお願いします!」
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ、カペラ」


緊張して話すカペラにオレは思わず笑ってしまった。
ハクレンも苦笑しながらカペラに手を伸ばした。


「…カペラか、良い名前だな。
 俺はハクレンだ。こちらこそよろしく」


それから教会の中をカペラに案内しながら回った。






楽しい日々を送っている中
1つだけ、気になることができた。

フラウが制御装置の爆発阻止以外、顔を見せなくなったのだ。
この前、オレの部屋に来たときに訪ねたがあいつは笑って
頭を撫でるだけで詳しくは教えてくれなかった。

そして、フラウはカストルさんの部屋によく出入りしている。


「……なんで、オレには会いに来ないんだよ…」


一人、中庭の噴水の端に腰掛けて
ポツリと呟いた声は水の音と共に流れていった。




それから数日後。
今までの報告も済み、再び旅に出ることになった。


「また手紙を送るから元気でいろよ」

「あぁ、ハクレンも元気でな!」
「ピャ、ブルピャー!!」
「またね、ハクレン兄ちゃん!」


もしかしたら、もう二度と彼らに会えなくなると思うと寂しかったけど
きっとまた会えると自分に言い聞かせてオレは皆に別れを告げた。




みんなに挨拶して教会を出て走っている中
フラウが道の途中で何も言わずに急に止まった。


「…どうしたんだ?フラウ、何か忘れ物か?」
「ピャー?」


そんなフラウを疑問に思ったオレとカペラとミカゲは首を傾げる。
首を傾げるオレ達が可笑しかったのかフラウは苦笑しながら
荷物入れのバッグから緑色の物を取り出してオレに投げた。


「すっかり忘れてたぜ。
 お前にプレゼントだクソガキ!」

「ぅわっ!!……これってマフラー?」

「とりあえず、マフラーのつもりだ。
 オレが編んでやったんだから大事にしろよ?」

「……あ、ありがとう」


もしかしてカストルさんの部屋に出入りしてたのって。
彼に編み物を教えてもらってたから?
おれのために編み物を覚えてた…?

でもどうしてマフラーを編んでくれたんだろうか。
そんな疑問が頭をぐるぐると回る。


「今日、お前の誕生日なんだろう?
 ハッピーバースデー、テイト!」

「…………あ。」


旅で忙しくて自分の誕生日なんて忘れてたのに。
…フラウは覚えててくれたんだな。


「まさか自分の誕生日を忘れてたんじゃねーよな、クソガキ?」

「わ、忘れるわけねーだろっ!!
 それにオレはクソガキじゃねーっ!!!」

「ほら、出発するから早く乗らないと置いていくぞ!」

「…あぁ!」


フラウに貰ったマフラーはどこか歪で
でも、見た目に反してとっても温かかった。



……ありがとな、フラウ。




「んぁ? なんか言ったか?」

「な、何も言ってないよ!
 ほら、次はどの地区に行くんだっ!?」

「それはお前が決めるんだろうが」

「じゃぁ、次はここかな!」


フラウの広げた地図を指で押さえて目的地を伝えた。


「了解!じゃ、飛ばすからしっかり掴まってな!」

「ちょっ、飛ばしすぎだって!!
 カペラが怖がってるだろーがっ!!!」
「ブルピャー♪」




オレは自分の使命を果たすまで頑張って生きるから。

ずっとオレの側に居てくれよ?フラウ。



* おしまい *





はらひれほー…
07で小説、初めて書いてみたみょーっ!!!
短く話をまとめるの苦手でいつもグダグダ〜…orz

とりあえず、テイトの誕生日を祝いたかったのだっ!
誕生日おめでとぉぉーっ!!!


.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ