薄桜鬼夢小説

□あなたは強いから美しい
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「…ちょ、ちょっと待ってください!」


天気のいい午後のことだった。洗濯物を畳んでいた千鶴が悲鳴に近い声をあげると、何の前触れもなく彼女を後ろから抱きしめていた風間千景は囁いた。


「今更何を待たねばならん? ああ…おまえの『心の準備』とやらか?」


言葉を紡ぐ度に身体を跳ねさせる新妻をからかうように、千景は千鶴の首筋に濡れた唇を這わす。


「今更って…、ちょっと、待ってって――」


「昨日の誓いを忘れた、とは言わせんぞ」


千景は右手を千鶴の着物の懐に忍び込ませた。肌着の下にある千鶴の胸の膨らみを愛おしそうに包み込む。


「でもっ、こんなに明るいうちから――んっ!!」


千景は親指の腹で千鶴の胸の蕾を撫でていた。肌着の上からとはいえ、ゆっくりと円を描くように千景が長い指を動かすと、次第に千鶴の身体から力が抜けていった。


「…どうした? 急に大人しくなったようだが?」


「そ、そんなこと――」


残されていた僅かな理性と羞恥心で千鶴が口答えようとすると、彼はいつの間にか固さを増したその蕾をつまみ上げる。千鶴の身体には快感の波が電流のように走り、ビクンと大きく震え上がった。


「最早極まった、か…」


口元を緩ませた千景は、ぐったりと彼に寄りかかりながら荒い呼吸を繰り返す千鶴の滑らかな黒髪に唇を落とした。


「これでおまえも少しは素直になるだろう」


千景は千鶴の身体を軽々と抱き上げると、屋敷の奥へと続く廊下を歩いていった。突き当たりの部屋――千景の寝所の前で、彼はその長い足を使い静かに襖を開ける。そのまま中に入ると再び器用に襖を閉じ、既に用意されていた床の上に未だに力が入らない妻ををゆっくりと下ろした。


思考の働かない千鶴がぼんやりと彼を見上げると、その視線を受け止めながら彼は自身の着物の帯を少し緩めて、上半身だけ裸になった。


「っ……」


初めて見る千景の肉体に、千鶴は迂闊にも魅入ってしまっていた。傷一つない艶やかな肌には細身でありながらしっかりと筋肉がついている。千景は妻の視線に満足げに笑みを浮かべながら床の上に腰を下ろした。


「そう急くな、次はおまえの番だ――」


千景は千鶴の上に身を乗り出し、彼女の唇を味わいながら帯紐に手を伸ばした。自分と同じようにそれを少し緩めると、千鶴の懐を両方に大きく開いた。着物の中から純白の肌着が現れ、その更に下では二つの頂が薄く色付いていた。


「ま、待って――」


「――もう遅い」


妻の制止を軽く振り切ると、彼はその肌着の上から千鶴の胸の先端を口に含んだ。彼に濡らされた肌着が千鶴の蕾にまとわりつく。声にならない悩ましげな声が部屋に響いた。


「おまえと違い、身体は素直なようだな」


千景の舌が這うたびに、千鶴の蕾は赤く色付き隆起していく。


「だ、だめぇっ!!」


「何が駄目なものか」


千景はとうとう千鶴の肌着に手をかけて、彼女の素肌と対面した。千景が肌着越しに口に含んでいたせいで、彼女の胸の蕾は湿り気を帯びながらも彼を誘った。


千鶴に有無を言わさないまま千景が味わうようにそれを口に含むと、まるで乳房を彼に押し付けるように千鶴の背中が弓なりに反った。


「早速『お強請り』か?」


千景は首を振る彼女の乳房を両手で寄せ上げ、並ぶ蕾を食べ比べるように交互に愛撫する。生まれて初めての得も言われぬ感覚に千鶴は既に翻弄されていた。


彼が千鶴の桃色の突起に吸い付くたびに卑猥な水音が部屋に響く。口に含んだまま舌先で転がすと、彼女は更に身悶えた。
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