novel
□悪魔此処ニ誕生セリ
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−頭に声が響く…
「起きなさい…」
目の前に何かがいた。
「お前はなんだ?…」
「私は君を造った…言わば君の親だ」
そいつは俺の親だと名乗った、ならば…
「俺は…、俺は何なんだ…?」
親は驚いたように俺を見た
「うっかりしていたね、君に名前を付けるのを忘れていたよ、ようく覚えておくんだよ、君の名は火炎、飛海火炎だ」
「飛海 火炎…?」
俺の欲しかった答えとは違ったが親は嬉しそうに笑っていたから聞くのをやめた
あれから数日が経った
あの日から俺はこの白の中に居る日に何度か採血をし、食事を与えられた、正直暇で仕方なかったが親は一日に一回は俺の顔を見に来てくれた、親はいつも嬉しそうに笑っていた何がうれしいのかは解らないけど俺はそんな親を見るのは好きだった。
「?ドアが開いてる…」
いつもならどこがドアなのかわからないくらいぴっちり閉まったドアが今日に限って開いてるのが不思議で仕方がない、それにこの部屋以外の場所を見るのは初めてだ……少しくらいいいよな?………
結構歩いてやっと部屋らしい物が見えた、親の匂いも微かに感じる
「まだまだだな、全く本物から採ってDNAがあってもこれだけ造って一体だけか」
「しかし、1657は火炎をも上回る性能を有していますし完全体とも言えます!」
「何を抜かすか、火炎はあくまでもただ改造を施しただけなのだからそれは当然だろう」
−俺が、改造…?
「おい、それは一体どういうなん事だ…?!」
「火炎!?何故お前が此処にいる?!」
「そんな事はどうだっていい…なぁ親俺が改造ってどういう事だよ?」
「…」
「なぁ、黙ってねぇで何とか言ってくれよ!なぁ!!」
「黙れ!この欠陥品!!」
「?!」
「お前は性能テストでも優秀な結果を出したし、この計画でも大いに役立ってくれた。それには感謝しているともだがな、これで分かったお前には心が有りすぎる、こんな物では使い物にならない。」
「なん、だよ…それ…だっていつも笑って…」
「君が可愛かったからだよ、けれどもう使えない物を可愛がる必要はない。」
「……必要はない…?」
「あぁ」
なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ
「う゛ぁ゛あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
「誰か!火炎を止めろ!!」
ゴゥッ
−炎の音、薄暗かった研究室は一瞬のうちに炎にてらされた−
「素晴らしい!!まさかここまでの事が出来るとは!!、どうだ!火炎考え直してみないか!そうだ!もっと待遇もよくしてやろう!どうだ言う事な゛ッ」
−消えた、紅い炎に包まれて−
「誰かぁ!!博士がやられたぞぉ!1657だ!1657を出せぇ!!」
「黙れ…」
「う゛ぁぁぁぁぁッ!!」
カチャ…
フシュゥゥゥ……
「誰だ!!」
「コードナンバー1657 飛海焔」
「飛海?!」
「…」
「1657!火炎をッあの悪魔を!」
グチャッ
「悪魔にしたのはどいつだよ…」
「…」
「?…どうだ?お前も一緒に此処からにげねぇか?」
ドシュッ
「!?」
「…任務を遂行します」
「てめぇ…」
「貴方を“火炎”と認識しました」