poetry anthology

□二人語‐フタリガタリ‐
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「あ゛〜っ、やっと夏休みだよ〜」
−長い髪を一房すくい彼女の歳にしては少し幼稚な髪どめで結ってある姿が愛らしい少女が背伸びをしながら言う−

「でも宿題が山の如しだよ」
−少年の様な少女が気怠そうに言う。彼女の肩位迄の髪にも長髪の少女と全く同じ髪どめで彼女と同じ様に結ってある−

「も〜何でそういう事言うかな〜?休み始まったばっかだよ?まだ一ヶ月もあるじゃん!!」

「そんな事言ってるけど毎っ回、悠(ハル)は宿題が始業式迄に終わってた事一回もなかったよな?」

「失礼な!だいたい終わってるもん!!唯作文とか読書感想文が終わってないだけだもん!そういうナッツだって人の事言えるのぉ?」
−少しむくれた様子で長髪の少女が返す−

「ハッ!僕は悠(ハル)とは違って毎っ回!終わらせてあるんだよ、後!いい加減ナッツって呼ぶの止めろって!」
−長髪の少女、悠に向かって少し威圧的な態度で言葉を返す−

「はいはい、それはそれは悪ぅございました千夏(チナツ)様」
−そう答える悠は全く悪びれたそぶりは無い−

「謝る気無いだろ?」

「御明察!!」

−千夏は仕方なさそうに言う−
「全く…」



8月16日

「アッツーイ!!」

「一人で扇風機占領してよく言うよ」
−千夏はまた仕方ないな、という顔をする−

「なによ!
じゃあチナは暑く無いの!?」
−千夏の冷静な態度に少しムッとした様子だ−

「暑いに決まってるだろ、悠が扇風機独り占めしてるんだから、後何だよ?チナって、どっかの犬みたいじゃん」

「じゃあエアコン買えばいいのに!」

「チナに付いてはオールスルーかよ…全く、その言葉そっくりそのままバットで打ち返すてやるよ」

「う゛ぅ」
−ぐぅの音すら出ない−
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