長編シリーズ

□アリスの日常〜二日目〜
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「……ドクター?」

「ん?アリスかい?」

「……ありがとう」

「…………やれやれ、確かに暇な時に来てくれとはいったがね」

「後、これ……」

「……宝石みたいなものだね?
どこでこれを……?」

「箱の中にはいってた……」

「箱って、君に返したあの箱かね?」

「うん……」



〜回想〜

「……」

ガチャガチャ……

「……」

ガンガンッ!

「……」

バゴンッ!

「……開かない」

パカッ!

「……?
開いた……」




〜回想終了〜

「つまり、勝手に独りで開いた、と言うのかね?」

「うん」

(音声認証機能か……
あるいは、アリスの何かしらの反応を受け取ったのか……)

「ちなみに、何個はいってたんだい?」

「5こ……」

「簡単に調べるから少し待っててくれたまえ」






〜5分後〜

「どうやらこれはデバイスのようなものだね……」

「デバイス?」

「ただ使用者側の魔法式がめちゃくちゃに設定されているから起動すら出来ないけどね」

「魔法……?」

「君には魔法は使えないよ、なにせ肝となるリンカーコアがないからね。
けど、これはやっぱり返しておこう。」

「うん」


「まぁ、大事にしておくんだね」

「わかった。
ありがとう、ドクター」









「ふぃー、疲れた疲れた……」

「はっ、鍛え方がたんねーからだ、セイン」

「まぁ、元々あたしは諜報タイプだから……っと、おーい!アリス?」

「?」

「よぉ。どうした、こんな所ほっつき歩いて?」

「また迷子?」

「違う……。ドクターの所行ってきた」

「あ〜、こないだのお礼?」

「それもある……」

「所でアリス……」

「なに?……」

「少しリハビリも兼ねて体動かしたらどうだ?」

「確かに……。
ずっと室内で本読んでたら体に悪いものね」

「……何すればいいか、わからない」

「んじゃ、あたしらも付き合ってやるか!」

「まぁ、たまには重運動も悪くないかもね」

「……ありがとう、ノーヴェ姉さん」

「なっ!?」

「あ〜、そういえばこないだ私たちが姉、って言ったんだっけ?」

「何やってんだ、お前……」

「や、正確にはウェンディが」

「まぁ、あたしが姉、っていうのもいいんだけどよ
……ていうかセッテやオットーたちも姉扱いするつもりか?」

「……違う?」

「いいじゃんいいじゃん。何か損失がでる訳でもないし」


「そりゃそうだろうがよ……」











「はぁはぁはぁ……」

「ここまでだな……
筋はまだまだ粗いが、いい感じになってきているな。セッテ」

「あ、ありがとうございます。トーレ姉様」

「あれ、トーレ姉?」

「なんだ、セイン、ノーヴェ?また戻って……
と、アリスもいたのか」

「いや〜、そろそろリハビリでもさせようかな〜と、思って。」

「ふむ、私たちは今終わった所だからな。見てるとするか……」

「さて、何からさせるか……」

「やっぱり、走り込み?」

「……そうだな。
よし。アリス、あたしの後ろについてくるように走ってこい」

「うん」

「頑張ってね、アリス」

「……って、お前は走んないのかよ!?」

「あたしは次のメニューでも考えておくからさ」

「ちっ!いくぞ、アリス!」




「そう言えばトーレ姉?」

「なんだ、セイン?」

「アリスの事なんだけどさ……
あの子、記憶が戻ったらどうすんのかな?」

「……少し記憶を消してから市井に帰すことになるな、おそらく。
……情でも移ったか?」

「少しね……。
状況もそうだけどさ、なんか弟みたいな感覚がするんだよね……」

「弟、か……」


「なんか手がかかるし……
そう言えば」

「?」

「こないだ、ウェンディとふざけて教えてたら私たちを姉だと覚えちゃってさ。セッテもその内姉呼ばわりされるかもよ?」

「私が姉、ですか……」

「まぁ、アリスをどうするかは今後次第だ
今はその手伝いをして、ドクターの願いを叶える事だけを考えてろ」

「……あの作戦までもう少し、か
まっ、今深く考えても無駄か!」

「おっ、二人とも戻ってきたか」

「アリスもアリスでだらしねぇな」

「……疲れた」

「まぁ、リハビリ始めたばっかりだしね
ははっ、アリスってば足ふらふらだよ」

「うん…………、わっ」

コケッ!←石に躓いてこけた

ガシッ!←たまたま近くにいたセッテが受け止めた

「大丈夫か?次は気をつけろ」

「うん……。ありがとう、セッテ姉さん」

「あ、あぁ」

「セッテもお姉さんか〜。どういう気分?(・∀・)ニヤニヤ」

「とりあえず、そのニヤけた顔やめてください……」
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