長編シリーズ

□エピローグ〜小休止、あるいは骨休め〜
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「……」

ガバッ!

ゴツン!

「……いたい」

「……それはこっちもだ」

「……トーレ姉さん?」

「あぁ、よく眠れたか?」

「……ここは?」

「……病院だ」

「今のは?」

「お前が急に起き上がるから、私の頭にぶつけたんだ……」

「……なんで?」

「そ、それは……」

「トーレ姉様がアリスの顔をのぞき込んでたからだ」

「セッテ姉さん……」

「言うな!セッテ!」

「別にいいじゃないですか(・∀・)ニヤニヤ」

「お前あの時の事、根に持ってるな……」

「体は大丈夫か?」

「うん
みんなは?」

「大丈夫だ。ドクター特製のボディだからな」

「ただな……
ゼストが……」

「ゼスト……?」

「死んでしまったんだ」

「…………」

「……悲しいか?」

「……もう、ゼストに、会えない……」

「……アリス?」

「……胸がなんだか、苦しい」

「……アリス、大事な話があるんだ」

「姉さん?」

「私達はこれから別の遠い所に行かなくちゃいけない
でもな、アリスとチンク達は別な所に行くんだ」

「……一緒に行く」

「だめだ。
お前はこの世界の事を知らなきゃいけないんだ
いいな?」

「……うん」


「……そう哀しい顔をするな?
二度とあえなくなったわけでもない
また会えるさ」

「……」

ギュッ!←アリスがセッテに抱きついた

「こ、こらアリス!」

「……」

「離れるんだ!アリス!」

「……約束」

「……え」

「また、戻ってくるって約束……!」

「あぁ、約束だ」













「シャマルー?おるかー?」

「あれ、はやてちゃ……ゴホン!八神二佐?」

「いつも通りで構わへんよ」

「珍しいですね、ここにくるなんて」

「ちょっと気になる事があってな?」

「なんです?」

「……あのアリスって子おるやろ?」

「え、ええ」

「ちょっと気になってな?
検査の結果は?」

「……はっきりいってしまえば、彼はただの人間じゃありません」

「……続けて」

「まず、肉体の実に60%が正体不明の物質でできています。
更にその物質は強靭な再生機能があります。
が、これは肉体がある程度ダメージを受けた時のみ再生するようです

次にスカリエッティから提出させたレポートにはリンカーコアを途中で形成したとありますが、一致しませんでした」

「なんやて?」


「リンカーコアが全く別な物に変質していたんです
通常、リンカーコアは大気中の魔力を吸収するための機関です。
しかし、アリスくんの場合は、自ら魔力を生み出す機関なんです。
その魔力の質、量共にかなり膨大です」

「……ロストロギア?」

「わかりません。教会の方で検査、照合してみては?」

「……そうやな
彼の持っていたデバイスは?」

「シャーリーさんが解析中です。いくつか持っていたみたいですが、ほぼ解析できるみたいです。
ただ……」

「ただ?」

「魔法式が未知のもので起動はできないそうです……」

「わかった。怪我人の治療で忙しいのに、ありがとな?シャマル」













「……検査?」

「あぁ、そうだ。お前はこれから管理局の人間と一緒に検査にいってくるんだ」

「チンク姉さんは?」

「私達はこっちで治療に専念しなければいけない
……わかるな?」

「……うん。頑張る」

「あ、ついでにアタシにお土産をよろしくッス!」

「アタシも!」

「お前たちはさっさと寝て体を休ませろ……」

「行ってきます」

「あぁ、お土産は買ってこなくていいからな」

「「そんな……。orz」」










「それじゃあ、改めて自己紹介するね?
あたしの名前は高町なのは
で、こっちはヴィヴィオ。
今日はよろしくね」

「おねーちゃん、今日はよろしく!」

「……おねーちゃんじゃ、ない」

「?」

「ヴィヴィオ、アリスくんは男の子だよ?」

「うーん……。じゃあ、おにーちゃん!」

「……うん。」

「じゃ、行こっか?」









「これで検査終了です。フロアにてお待ち下さい」

「ん……」


「……トイレ」


「ふぅー……」

「……ここどこだろ?」

ギィッ

「シャッハ、早かったわ……
あら?」

「ここじゃない……」

「あなた、アリスくんだったかしら?」

「……うん」

「もしかして迷ったかしら?」

「……うん」

「……じゃあ、ここでまっていては如何?
高町教官を呼んであげるから」

「うん」

「ふふっ。そこに腰かけてもらって構わないわよ?」

「わかった」

「検査はどうだったかしら?」

「面白くはなかった」

「まぁ、検査なんてそんなものよね」
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