短編小説

□言の葉の民
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あとがき
 読んでいただけて嬉しいです。まさに今、自分の小説に外国人の登場が多いことに気付きました。
 完全に設定倒れですね。はい。後半になって現代になると主人公(「言葉に出さなければ、何も伝わらないからですよ。」がトラウマになってた彼)の口調が俗語的になっているのは、日本語の上達と彼のアイデンティティの庶民化だと思ってください。彼はイングランドの名家の出身です。シャーマンとしても王家(のような市動的立場)ですし。
 ナチスを上手いこと言いくるめて戦争しちゃったってのも、ナチスのユダヤ人の迫害っぷりに「誰か裏でいと引いてたんじゃないの?」って思ったのがきっかけ。キリスト教もユダヤ教に反抗して成立した、ってイメージが大きいので。それと以前の同居人・ミヒャエルさんですが、兄貴でも父親でもいいです。身内だったということで。(彼だけひどく母親似なんです。)この一家はつじつま合わせるとか系図がめんどくさい事になった(ので割愛)。
 話は戻って書店の店主。主人公とは店主か店長かの違い。店主はもと帝大生の知識人です。なので会話中に古今和歌集とか挙がるし、ウェールズとかロンドンとか、戦争のこととかちゃんと分かってるんです。(追記:主人公が「イギリス人」ときっぱりいえないで居るのは、ドイツにイギリス本土侵攻作戦を許してしまったことへの後ろめたさがあるから。)
 彼は「言葉に出さなければ、何も伝わらないからですよ。」から抜け出せませんが、なんとなくずっと付きまとってくる痛い一言ってあるじゃないですか。それも相手がぽろっというからたちが悪い。彼は、そういった類の事で苦しめられるような人間だろうと思います。
 大学生みゆきの登場。これは予定には無かった。けどミヒャエルさんと色々あってその後全く恋が無いのも可哀想だなあと思ってつけたし。けど結構気に入ってます。ああいうタイプの女の子にはとことん振り回されて欲しいです。本屋の店員と顔見知りになるってのは、実は体験済みだった。近所のジョ●ムにマニアックな写真集の注文に行くと、店長さんに「またあんたか」って言われる。店に行くと「まだ来てないよー」とか。
 みゆきはあんまり書かないパターンの女の子ですが、この話だけでも楽しかったです。きっと主人公はこれからは彼女に感化されて、もっと思ったことを口にするようになるに違いない。
 最後に。主人公の名前ですが、適当にあなたが好きな名前をつけてあげてください。人とまともに付き合わなかった彼は、名前を名乗る(使わせる)ことなんてそう滅多に無かったと思い、つけてません。

 以上、お粗末ながらあとがきでした。
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