姫さまを捜せ!
□第2話
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「えーっと、姫さまの部屋は……」
シュンは花束を持ちながら城の中をさ迷い歩いていた。
二ヵ月経った今でも、この無駄に広い城の中を把握できていない。
入団したての頃は、入ったはいいが出口を見つけることができず、泣きそうになっていたところをソルに助けられた、などということもあった。
「そういえばあれがソルさんとの出会いだったなぁ……。我ながらなんて情けない……」
自虐的に笑い、曲り角を曲がる。
「あ、あった!」
突き当たりに、他よりも見るからに豪華な装飾が施された扉があった。間違いなくこの部屋だろう。
「ひ、姫さま」
軽く深呼吸した後、ドアを叩き、少し裏返った声で言う。
「……」
しかし、全く返答はない。
声を大きくしたりして何度か繰り返したが、結果は変わらなかった。
「は、入りますよー?」
恐る恐るドアを開け、中の様子を伺う。
「……あれ?」