姫さまを捜せ!
□第3話
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「アスカ!」
メルシィは木陰に佇んでいた青年のもとに駆け寄り、勢い任せに飛び付いた。
「メルシィ! 本当に来たのか」
それを支えながらアスカは言う。
「大丈夫なのか? 俺みたいな……」
「今更言わないでちょうだい。関係ないわ。私はアスカが好きなのだから」
不安そうに問いかけたアスカに、メルシィは笑って答えた。
「行きましょう?」
「……ああ!」
楽しそうに歩き出すメルシィを見ながら、アスカも微笑む。ただ、それはどこか陰を含んだようなものだった。